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ろう付けのやり方とは? 方法や、はんだ付けとの違いは何か解説

2020.03.27溶接topics

ろう付けとは

ロウ付けは、溶接の一種で、DIYなどでも比較的簡単にできる溶接方法です。

ホームセンターなどでも数多くの道具が販売されていますが、本記事ではロウ付けの特徴、やり方、ロウ付けの強度、ロウ付けする際のコツと注意点、はんだ付けとの相違点について解説します。

 

ろう付けとは?

「ろう付け」と「はんだ付け」とは、似たような溶接と認識している人もいますが、使用する材料が違うため、仕上がりが大きく異なります。小学校の図工の時間に、はんだ付けをした記憶があると思います。

そのため、一般的に認知されているのは「はんだ付け」ですが、「ろう付」は、DIYブームやテレビ番組で取り上げられて、その加工方法に対する理解も深まっています。比較的簡単に取り入れることができるため、注目度も高くなっています。

 

ろう付けは、溶接の一種で溶接と聞くと火花を散らして行う電気溶接をイメージする方が多いですが、ろう付けは、ガスバーナーやトーチなどガスを使う溶接方法です。

金属同士を接合するロウは、低温度で溶ける合金で接着剤のように使われます。

 

溶接する母材(素材)の上を溶けたロウが伝わることを「ぬれ」といいます。この現象では、テーブルの上に水をこぼすと広がるのと同じように金属でぬれが起こることで溶接ができます。

ぬれが綺麗に起こるためには、金属表面の酸化被膜や皮脂汚れがないことが条件となっています。

 

ろう付けのメリット・デメリット

溶接には、ろう付け以外にも融合や圧接などいろいろな加工方法があります。

ここからは、ろう付けのメリットとデメリットを確認してきます。

 

ろう付けは、溶接する際に使うろう材や母材の組み合わせによっても大きく異なります。そのため、全てのろう付けに当てはまるのではないため、あくまでも傾向として参考にしてください。

 

ろう付けのメリット

ろう付けのメリットは、以下の通りです。

  1. 母材がほとんど溶けないため寸法精度が高い
  2. 真空ひずみが少ないため、薄い板や精密な融合ができる
  3. ぬれによってろうが母材の隙間に行き渡るため、見えないところや溶接棒が届かない部分の融合も容易にできる
  4. ぬれによってろうが母材の隙間に入り込むため、接合箇所が複数ある複雑な形状の接合の自動化や大量生産に適している
  5. ろう材と母材を溶け合わせる必要がないため、適切な条件下であれば特殊な材料、異種材料間での接合が融雪に比べ用意にできる
  6. ろう材と母材の融点が異なるため、再加熱することで接合部を離すことが可能である

 

ろう付けのデメリット

ろう付けのデメリットは、以下の通りです。

  1. 接合強度が他の溶接と比べやや弱いものが多い
  2. ろう材と母材の組み合わせによっては浸食が起こることがある
  3. 接合部を直接確認することができないため、欠陥制御は難しい

 

ろう付けのやり方とは?

ろう付けは、「ろう」を溶かして接合するろう接技術の一つで、はんだ付けと同じ手法です。

接合している2つの母材の間に、使用する母材よりも融点が低い「ろう」を溶かして冷却凝固することで接合する方法です。

母材を溶融させずに、ろう材を接着剤のように使用し母材同士を接合するため、母材を傷めることが少ないです。

道具さえそろえればDIYなどで活用することもできます。

 

ろう付けは何に使われるのか

ろう付けは、同じ金属同士や、違う金属同士の接合(溶接)に用いられています。

そのため、用途は多岐にわたり、ピアスやアクセサリー、パイプの接合などに、大きいものでは奈良の大仏にも使われている手法です。

 

接合方法には、接着剤を使った方法や、ナットやボルトで固定する方法、溶かした金属で接合する方法など、物体同士を接合させるための方法はさまざまであり、メリット・デメリットもまたそれぞれです。

様々な接合方法の中でも、もっとも古いとされている冶金(やきん)的接合技術が「ろう付け」と言われています。古代エジプトの文化遺産として受け継がれている製造や、東大寺(奈良)の大仏の一部も「ろう付け」によって接合されています。

 

長い歴史を持つろう付けは、さまざまな進歩と進化を遂げ、現在でも多くの工業製品の製造に活用されています。また、近年のDIYブームでも用いられており、もっとも身近な接合(溶接)方法として、テレビ番組などでも取り上げられています。

 

ろう付けに必要な道具

ろう付けを行うにあたり、必要な道具をまとめました。

 

ろう材

ろう付けをするために、ろう材を選ぶことになりますが、接合する母材や金属で様々な種類のろう材を使い分けます。こちらでは、主に使用されているろう材の種類を紹介します。

 

銀ろう

銀ろうは、銀や亜鉛、銅が混ざったろう材です。

接合で用いられるろう材の中でもっともポピュラーなろう材です。母材がアルミとマグネシウム以外であれば銀ろうを使用してください。

銀ろうは、棒状が一般的ですが、板型やペースト型のものもあります。ろう付けをした部分の色は銀色になります。

日曜大工などで何か作ろうとしたときなど、ろう付けを初めて使用する方でも使いやすいろう材です。

 

銅・黄銅

銅・黄銅は、「銅」と「亜鉛」が混ざったろう材です。

こちらのろう材は、銅製品や真鍮製品などのろう付けに使われていることが多いです。また、鉄と銅など別々の金属のろう付けにも使用頻度が高いです。

 

リン銅ろう

リン銅ろうは、「銅」と「リン」が混ざったろう材です。

リンの含有率は、5%から8%程度で銅管のろう付けに使用されることがほとんどです。

ろう付けする際には、「フラックス(=ヤニ)」という促進剤が必要になるますが、リン銅ろうには、酸化物を還元する還元作用があるため単独で使用することが可能であるという特長があります。

 

アルミろう

アルミろうは、融点が低いため簡単に溶けてしまうことから、ろう付けの素材の中では扱いが難しいです。コツをつかめば接合することができるようになるでしょう。

アルミろうは、ろう材として、母材がアルミ以外のろう付けには使用できません。

 

レンガ(耐熱製)、セラミックボード

ろう付けをするときには、ガスバーナー等で加熱する必要があります。

小さなものをろう付けする時には、耐熱レンガをセラミックボードの上に置いて作業します。

通常のレンガは、熱に弱く加熱すると割れてしまうため危険です。また。熱が外に飛び火してしまい、火事の心配がある場合などは耐熱用のレンガやボード(セラミック製)などで囲いを作ると良いです。

 

ガスバーナー など

ガスバーナーは、ろう付けを行うロウを溶かすのに最適な道具です。

家庭用のガスバーナーは、ガスボンベを交換すれば、何度も使えるので気軽に使用できます。種類も多いので自分のろう付けのやり方に合ったものを選びましょう。

 

つかみ

小さなアクセサリーのろう付けは、加熱する時に固定するための道具が必要です。

ガスバーナーから噴き出る炎は勢いも強いため、軽いものは吹き飛ぶ可能性があります。固定させるために専用のつかみや、使い捨てできる格安のクリップを用意しましょう。

 

真鍮・ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシや真鍮は、ろう付けした後の、フラックスや汚れを除去する際に使います。おすすめは、素材を傷つけることがない真鍮ブラシです。

また、何種類かのワイヤーブラシを用意しておくと、ろう付けしたものに合わせて使うことができるので便利です。

 

フラックス

フラックスは、ろう付けする際に「ぬれ」を促すための促進剤です。金属表面の酸化皮膜を除去し金属同士の接合を補助する働きをしています。

フラックスがないとガスバーナーなどの熱から金属の表面が酸化してしまい、ろう付けができません。ペースト状、液体状のものが一般的です。

また、アルミ用のフラックスは、アルミのろう付け専用のフラックスです。

 

アルミは、表面が常に酸化皮膜で覆われているため、より強い酸化防止が必要となります。

アルミ専用のフラックスを使用しても接合が難しく、接合後にもフラックスの除去が難しいとされているため、近年はフラックスを使わない方法で、ろう付けができるようになってきています。

 

ろう付けのやり方

ろう付けは、大きく分けて以下5工程です。それぞれについて解説します。

  1. 準備
  2. フラックスをつける
  3. ガスバーナーで加熱する
  4. ろうを差し込む
  5. フラックスを取り除く

 

①準備

溶接する母材を固定していきます。小さいものは、つかみなどで持って行うのも良いですが、固定すれば両手が空くため、作業の効率性も上がります。

固定する際には、母材の表面にある酸化防止面を、サンドペーパー等でならしておきます。母材の表面にサビや油が残っていると接合が失敗する原因となります。必ずサンドペーパーでならすようにしましょう。

 

②フラックスをつける

溶接する母材を固定したら、フラックスを母材の接合場所に添加していきます。フラックスの量が多いと、ロウも大量に流れてしまいます。
ラックスは、少なすぎてもロウが流れにくくなるため、フラックスの量を調整していきます。

 

③ガスバーナーで加熱する

ガスバーナーなどを使い加熱しろう付けを行っていきます。母材とフラックスとを中心として、ガスバーナーの青い炎が当たるように加熱していきます。

ガスバーナーは、最高温度が出る部分は炎の外側ではなく中心です。加熱し続けると、フラックスの水分がなくなり固形化してきますが、加熱をやめずにしばらく加熱し続け、再度フラックスの溶解を待ちます。

 

④ろうを差し込む

フラックスが再び溶け、母材の加熱も整ったらロウを流し込んでいきます。ロウを流し込んだら、ガスバーナーで再びロウを重点的に接合部全体にろう材を広げます。

ロウが足りない場合には、追加しても問題はありません。ただし、加熱しすぎて母材を溶かさないように注意してください。

 

⑤フラックスを取り除く

ろう付けができたら、母材が冷めないうちにフラックスを除去していきます。お湯などで洗いながら取り除くとよいでしょう。母材は、熱が残っているため火傷には注意してください。

フラックスの除去には、真鍮などのワイヤーブラシでこすり落としていくとよいでしょう。

 

ろう付けのコツ

ろう付けする際に、母材の隙間が広いと弱くなってしまいます。母材、ろう材によって異なるため取扱説明書をよく読んでから作業しましょう。

また、母材の大きさや金属の種類が異なる場合には、熱伝導性や比熱などに注意し母材が適温になるように調整してください。

炎は直接ロウにあてず母材を加熱し、その熱でロウを溶かすようにしましょう。炎を直接ロウにあてずに、母材を加熱し、その熱でロウを溶かすようにしてください。

 

以下にろう付けをする際の主な失敗の原因と対策をまとめました。

  •  母材の表面の汚れ・・・表面を磨き地肌を出してやり直す
  •  母材の加熱不足・・・再度加熱する
  •  ロウの直接加熱・・・母材を加熱しロウをさす
  •  フラックス不足・・・フラックスを十分に塗りやり直す

 

ろう付けの注意点

ろう付けをする際の注意点は、以下の通りです。

  •  加熱された母材は非常に高温のため床に落とさないようにしましょう。
  •  フラックスの塗布が多いとロウ付に悪影響を及ぼし、ろう付後の腐食の原因となります。
  •  加熱はガスバーナー等で行い銅管と銅継手に炎をあてるとある程度均一に加熱ができます。
  •  加熱しすぎるとフラックスが炭化してしまうことがあります。
  •  フラックスの残骸は錆びの発生原因となるため完全に除去しましょう。

 

ろう付けとはんだ付けの違いは?

はんだ付けは、聞き馴染みのある言葉です。

ろう付けは、はんだ付けと同じ手法の溶接(接合)方法です。「ろう」を溶かして接合するのがろう付け、それに対して「はんだ」を溶かして接合する手法がはんだ付けです。

溶接材の融点はそれぞれの部材によって温度に違いがあります。はんだは、温度が摂氏450℃以下で液体になります。ろうは、摂氏450℃以上で液体になります。つまり、この2つの違いは溶解点(溶解温度)と理解してよいでしょう。

加熱する際に使用する道具は、はんだ付けでははんだごてを使用し、ろう付けは、ガスバーナーや工業炉を用いて加熱していきます。また、強い熱によって溶け行く「ろう」は金属同士が強く接合されるため、接合した後の強度は、はんだよりもろうの方がしっかりと接合しています。

 

まとめ

ろう付けは、さまざまなメリットがあり、複雑な構造物や薄い断面と厚い断面が混合しているものや、異種材が混ざり合っている構造物などもろう付けで接合できるなどがあります。

仕上げ作業もほとんど必要がないため作業効率も高い手法でしょう。

現在も工業製品の制作やDIYなどでも利用されている、ろう付けの知識は身に着けておけば趣味から仕事まで幅広く役立つでしょう。

  •  ろう付けはガスバーナーなどを使用した溶接手法の1つ
  •  いろいろな材質のものを溶接できる
  •  ろう付けに必要な道具は「ろう材」「耐熱レンガやセラミックボード」「ガスバーナー」
  •  取扱説明書を良く読みろう付けを行う
  •  はんだ付けよりも高温度で溶接するため、接合面の強度が高い
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