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アルミ板加工について解説!切断カット、上手く曲げる方法

2020.01.30溶接topics

アルミで出来ている物と言えば、アルミ缶や1円硬貨を連想する人が多いのではないでしょうか。

軽くて柔らかいイメージがあるアルミですが、実は、船の部品や新幹線など幅広い分野で活用されています。

本記事では、様々な特徴を持つアルミの、初心者でも簡単に行うことが出来る加工法について解説します。

アルミはどんな素材なの?

アルミの正式名称は「アルミニウム」と言い、地中に存在する「ボーキサイト」という赤褐色の鉱物を原料として製造されています。

このボーキサイトは、地球上の暑い地域を中心に存在し、これから数世紀に渡り十分に足りる量が確認されているので、不足する心配がありません。

 

ボーキサイトから様々な工程を経て製造されたアルミは、その元々の特性を生かしながら使用用途に合わせて、更なる加工を加えて使用されている場合が多いです。

 

例えば、アルミ缶には耐腐性加工として、樹脂コーティングがされています。

これは、オレンジ果汁などの酸性の強い飲み物を入れた時に、缶が錆びてしまうのを防ぐ為の加工です。

 

このように加工を加えることで、より多くの分野で取り入れられているのです。

では、そもそもアルミとは、どのような特徴を持った金属なのかご存知でしょうか?

事前にアルミの特性を理解しておくと、アルミを最適な場所に取り入れることが出来たり、アルミの加工を進めやすくなったりしますので、まずアルミの特徴から解説していきます。

 

アルミの5つの特徴

ここからアルミの5つの特徴について説明していきます。

 

特徴①アルミは軽い

アルミの一番の特徴は何と言っても軽さです。

同じ体積だった場合、アルミは鉄や銅の3分の1程度の重さしかありません。

その為、重さが重要視される乗り物の部品などにも多く用いられ、軽量化に一役買っています。

 

特徴②熱と電気の伝導に優れる

アルミは、熱伝導率が良く、鉄などの金属と比較すると約3倍も熱を通します。

この特性から、熱を早く満遍なく行き渡らせることが出来るので、フライパンややかんなどの調理器具に使われたり、熱を外に逃がす為に自動車のエンジン部品に使われたりしているのです。

 

また、熱伝導率が良いということは急速に冷やすことも出来るので、アルミ缶を冷蔵庫で冷やすと中の飲み物を早く冷やすことが出来ます。

 

更に、アルミは電気の伝導率も高い金属です。

その伝導率は銅と比較すると約60%程度ですが、銅よりも比重が軽いので同じ重量で比べた場合には、銅の約2倍も電気を通します。

 

このことから、現在使われている高電圧の送電線の約99%にアルミが用いられていると言われています。

 

特徴③アルミは磁気を帯びない

アルミは、非磁性体という磁気を帯びない金属の1つです。

その為、磁場の影響を受けることがありません。

この特性を利用して、船の磁気コンパスやMRIなどの電子医療機器にも安心して使用することが出来ます。

 

特徴④耐食性が高く再生しやすい

アルミは、数ある金属の中でも錆びにくいという特徴があります。

これは空気中で安定した酸化皮膜を作り出し、表面を保護することで自然に腐食を防ぐからです。

 

更に、アルマイトと呼ばれる陽極酸化皮膜処理を施し、人工的に厚い酸化被膜を形成することによって、より防食効果を高めることが出来るので、アルミは錆びやすい部品にも多く用いられています。

そして、この耐食性が高いことに加え、融点が低いので使用後に溶かして、簡単に再生・再利用することが出来ます。

 

再生地金は、新しい地金を作る際の3%程度のエネルギーで作り出すことが出来る為、リサイクル出来るアルミはエコで経済的な金属と言えます。

 

特徴⑤反射率がとても高い

アルミの表面は熱や電磁波、光などを反射しやすくなっているので、暖房器具の反射板や照明器具などに使われています。

また、この反射率は、アルミの純度が高くなるほど反射率が高くなり、純度99.8%以上のアルミは約90%以上の光を反射すると言われています。

反射率を更に高めるために、アルミの表面に鏡面加工を施して使用することもあります。

お菓子やアイスの袋の中が銀色になってるのも、このアルミの特性を利用して熱や光を反射し中身の美味しさを守っているのです。

 

アルミ板は何に使われているの?

アルミは、様々な優れた特性を生かして、アルミ缶から飛行機などの乗り物、宇宙服まで幅広い分野で用いられています。

また、アルミ板は軽くて柔らかく、不慣れな人でも加工しやすいことから、ホームセンターや100円ショップなどでも簡単に手に入れることが出来る身近な素材となってきました。

 

実際に、アルミ板を使って、アルミケースや強度の必要ないカバーなどを家庭で自作する人も増えてきています。

そこで、ここからは、アルミ板を加工する際に必要となることの多い「切断」と「曲げ」の2つの加工について詳しく解説していきます。

 

アルミ板の切断カット方法

アルミ板を使う際には、多くの場面で必要な大きさに切断する工程が必要になってきます。

金属の切断と言うと、非常に難易度の高い作業だと思われがちですが、アルミは比較的軽くて柔軟性がある為、切断自体はあまり難しくありません。

また、使用する工具や機械にもいくつか種類があり、アルミ板の厚さや熟練度などによって適したものを選ぶことが出来ます。

まずは、アルミ板の切断に使用される工具や機械の種類から説明していきます。

 

高速カッター

切断砥石と呼ばれる鋭い刃が高速回転して、金属を切断する工具です。

厚みのあるアルミ板でも簡単に切断することが出来るので、作業効率が格段に上がります。

 

ただし、切断する際に火花が飛びやすく、慣れていないとカットが斜めに曲がってしまうことが多いので、初心者向きではありません。

また、刃の回転が速いので、工具の中でも特に取り扱いに注意が必要です。

 

切断面にバリと呼ばれる金属の不要な出っ張りが発生しやすいので、切断後にヤスリなどでバリ取りをする必要があります。

購入にかかる費用は、安い物で数万円~です。

 

バンドソー

帯状の鋸刃が自動で動いて、金属を切断する工具です。

高速カッターよりも回転速度が遅いので、比較的安全に使用出来ますがそれでも注意が必要です。

 

アルミ板を挟んで固定出来るので、カットする際に曲がりにくく、直角にカットしやすいのもバンドソーの大きな特徴です。

切断面にバリが発生しにくく、綺麗な断面に仕上がります。

購入にかかる費用は、高速カッターよりも高く、ホームセンターなどで取り扱っている確率は低いです。

 

丸鋸(チップソー)

高速カッターと同じ仕組みで、円盤状の刃が高速回転することによって金属を切断します。

刃が砥石のものが高速カッター、刃が金属製のチップソーのものが丸鋸です。

その為、高速カッターと同様に、取り扱いには注意が必要です。

ホームセンターでも取り扱っている所が多く、バンドソーよりも安価で購入することが出来ます。

 

糸鋸

木材の切断などに使われる糸鋸ですが、金属の切断にも使用することが出来ます。

しかし、他の工具と比べて刃が弱いので、ゆっくり切断する必要がありあまり作業効率を上げることは出来ません。

また固定出来ないので、まっすぐに切断することが難しいです。

 

ハンディーソー

金属を切断する時用のノコギリで、木材用のノコギリと比較すると刃が細かくなっていることが特徴です。

安全性は高いですが、厚みのある金属は切断するのに時間がかかります。

ホームセンターや100円ショップで購入することが出来るので、あまり厚みがない金属を切断する際には使いやすい工具です。

 

ここまでアルミ板を切断する為の特別な工具を紹介してきましたが、実は、薄いアルミ板であれば、特別な工具を使わずとも、カッターナイフで切断することが出来ます。

そこで、ここからはカッターナイフで簡単にアルミ板を切断する方法を紹介します。

 

カッターナイフでのアルミ板の切断方法

カッターナイフでのアルミ板の切断には以下の3点の道具があると便利です。

  • カッターナイフ
  • カッターマット
  • 金定規

 

ここからはカッターナイフでのアルミ板の切断手順を紹介していきます。

 

手順①切り込みを入れる

カッターマットの上にアルミ板を置いたら、切断したい箇所に金定規を当てます。

そして、弱い力でなぞるようにして、何度も切り込みを入れます。

この時、強い力で一気に深い切り込みを入れようとするとズレてしまうことがあるので、弱い力で少しずつ切り込みを深くしていくことがポイントです。

 

手順②カットラインの印をつける

表面の切り込みを入れ終えたら、裏面の切り込みに移る前に、表面と裏面で切り込みの位置がズレないように、切り込みを入れた位置に合わせて板の端にカットラインを付けます。

それから表面と同じ要領で、裏面にも何度も切り込みを入れていきます。

 

手順③折るようにして切断

両面に切り込みを入れたらその切り込みラインを軸にして、板の端から折り曲げていきます。

少し折り曲げたら裏返して、同じように逆側に折り曲げます。

この工程を繰り返して、少しずつ曲がる角度を大きくしていくと、切り込みラインに沿ってポキッと折れるように切断出来ます。

簡単で安全な上にバリが発生しにくく、切断面も綺麗に仕上がるので、薄くて簡単なアルミ板ならこの方法がおすすめです。

 

アルミ板を上手く曲げる方法

次に紹介するのは、アルミ板の曲げ加工を行う方法です。

曲げ加工は、アルミ板の加工を行う上で、切断と同じくよく行われる作業工程の1つで、特性や方法の異なる3種類の加工法が一般的によく行われています。

 

ロール曲げ

複数のローラーを使用し、ローラーの巻き上げる力を利用して金属を曲げます。

ローラーとアルミ板の距離によって、曲げる形状を変化させることが出来るので様々な形状に対応出来る加工法です。

更に、アルミ板をローラー加工で一周させると、筒状の部品も形成することが出来ます。

 

この方法では、アルミ板の両端までローラーで曲げることで部分的なロスを最小限に留め、作業時間の短縮も見込めます。

ただし、加工出来るアルミ板の厚みは機械によって異なるので、注意が必要です。

 

板折曲げ

アルミ板をベースプレートの上に乗せ、曲げたい方向に折り曲げる方法です。

ベースプレートの上にアルミ板を置いたら、上板で固定します。

そして、上板と繋がっている曲げ板を曲げたい方向に倒すと、テコの原理でアルミ板を曲げることが出来ます。

この板折り曲げは、ロール曲げのように筒状やカーブを描いた曲げではなく、箱型など直角に曲げたい時に用いられます。

 

ベンダー曲げ

アルミ板を仕上がりの形状に合わせた金型とパンチに合わせてプレスすることで、アルミ板を曲げる方法で、プレス曲げとも呼ばれています。

また、このベンダー曲げには、V曲げやL曲げ、Z曲げなど、様々な種類の曲げ加工があり、プレス機を使用するので作業スピードの向上と小さな部品や複雑な曲げ方、大量生産にも対応出来る点が大きなメリットです。

ただし、厚みのあるアルミ板には向いていないというデメリットもあります。

 

一般的に用いられている曲げ加工の方法を紹介しましたが、薄いアルミ板の場合は、万力と角材だけで簡単に曲げ加工が出来るので、次に、その方法を紹介します。

 

薄いアルミ板の折り曲げ加工の方法

下記の2点がアルミ板の折り曲げ加工に使う道具です。

  • 角材
  • 万力

ここから実際にアルミ板の折り曲げ加工の方法を紹介していきます。

 

手順①角材にアルミ板を挟む

万力に直接アルミ板を挟むと、アルミ板に傷が付く原因になるのでまず最初に、角材にアルミ板を挟みます。

この時、折り曲げたい境目が角材の端に来るように挟んでください。

 

手順②万力に挟む

角材に挟んだアルミ板を万力に挟みます。

角材がアルミ板と万力の間でクッションの役割をしてくれます。

 

手順③アルミ板を押す

しっかりと万力で挟んだら、上に出ているアルミ板を押します。

そうすると、アルミ板を簡単に曲げることが出来ます。

今回のように直角に曲げるのではなく、カーブをつけて曲げ加工を行いたい場合には、角材の代わりにアングル材でアルミ板を挟み込み、同じ工程で曲げると、緩やかなカーブをつけることが出来ます。

 

まとめ

  • アルミの一番の特徴は軽さ。様々な分野で、アルミを用いて軽量化を行っている。
  • 熱と電気の伝導性に優れており、その特性がアルミ缶や送電線に利用されている。
  • アルミは磁気を帯びないので、磁場の影響を受けることがない。
  • 空気中で酸化皮膜を作るので、錆びにくく、溶解すると再利用できる。
  • アルミの表面は熱や光を反射し、アルミの純度が上がるほど反射率も上がる。
  • アルミは柔らかく、軽いので、初心者でも比較的加工がしやすい。
  • アルミ板の切断に用いられる工具はいくつかあるが、薄いアルミ板はカッターナイフで切断する方法もある。
  • 一般的にアルミ板の曲げ加工の方法は3種類あるが、複雑な曲げでなければ、万力と角材で曲げ加工を施すことも出来る。
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