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アーク溶接とは?種類・特徴や原理を解説!メリット・デメリットは?

2019.09.25溶接topics

アーク溶接とは

アーク溶接とは金属同士をつなぎ合わせる溶接方法のことをいい、アーク溶接には様々な溶接方法があります。
今回の記事では、アーク溶接の様々な方法を詳しく解説しています。
この記事を読んで、各場面において適切なアーク溶接の方法を理解して、利用できるようにしていきましょう。

 

アーク溶接とは

アーク溶接とは気体中の放電現象を利用して、金属同士をつなぎ合わせる溶接方法をアーク溶接といいます。
溶接を行う時に青色の光を見たことがあるとは思いますが、その光のことを「アーク」と言い、非常に強い光と高熱を発するのが特徴です。
日常生活では電化製品のコンセントを引き抜いたときに発生するスパークなどの時に「アーク」をみることができます。
アーク溶接の対象物は広く、身近なものでは、自動車、鉄道車両、航空機、建築物、建設機械など、あらゆる金属構造物の溶接に使われています。

アーク溶接の特徴

アーク溶接の対象は電気伝導体のみとなっており、電気溶接と言われることもあります。
アーク溶接時い発生するアーク放電は、溶接以外にプラズマ切断や放電加工などにも用いられる放電現象のことで、アーク放電の温度は20,000℃程度となっており、この温度の高さは太陽の表面温度を超えるくらいの温度の高さとなっています。
アーク溶接はこれだけ高い温度での溶接を行うため、あらゆる母材を溶融させることが可能となっています。

アーク溶接の種類

アーク溶接は、非常に高い温度によって様々な母材を溶融させることができますが、その高温の影響によりアーク放電を生み出す電極自体を溶融する場合があります。
このようにアーク溶接は、電極が溶融して消耗する消耗電極式溶接(溶極式)と、電極は溶融せず溶加材(溶接棒)を母材へ溶かし込む非消耗電極式溶接(非溶極式)の2種類に分けることができます。

消耗電極式溶接

消耗電極式溶接とは、電極が溶融して消耗する溶接方法をいいます。ここでは「ティグ溶接」と「プラズマ溶接」について解説します。

 

【ティグ溶接】

「ティグ溶接」とは、「不活性ガス溶接」ともいい、溶接時に火花を飛び散らすことなく、ステンレス・アルミ・鉄などの様々な金属の溶接に対応することができるアーク溶接の1種類のことをいいます。

ティグ溶接は、放電用電極に消耗しないタングステンを使用し、シールドガスにアルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスを使用します。不活性ガスの中でアークを発生させ、アーク熱により母材を溶かして溶接をします。その際に溶加材を使用しますが、溶接箇所は不活性ガスで覆われており、アークも安定していることからスパッタはほとんど発生することはありません。

 

ティグ溶接には以下のように3つの種類があります。

  1. 交流・直流による分類
    交流・直流の選択は母材の種類によって交流・直流の選択を行います。
    交流の特徴としては、大電流では放電アークが安定するものの低電流では不安定になってしまいます。一方、直流の特徴としては、大電流で放電アークが不安定になるものの、放電継続が難しい数A(アンペア)程度の低電流でも安定したアークを発生することができます。
  2. パルス使用の有無
    パルス使用の有無を選択することができ、その中でもパルスを使う溶接のことを「パルスティグ溶接法」といいます。
    「パルスティグ溶接法」は溶接電流を一定のリズムでパルス電流とベース電流に交互に変化させます。
    「パルスティグ溶接法」時においてパルス電流が流れている間に母材を溶かして、ベース電流が流れているときには母材を冷却させます。
    これらの溶接法を繰り返し行うことにより、溶融スポットが周期的に出来上がるため、出来上がりは数珠でつながったようなビードとなります。
  3. 溶接ワイヤ使用の有無
    溶接ワイヤ使用の有無で、溶接ワイヤを使用する際は「コールドワイヤ法」と「ホットワイヤ法」の2つの方法に分けられ、コールドワイヤ法とは一般的な溶加材を使う方法のことをいいます。一方、ホットワイヤ法とは、作業を行う前に予めワイヤに電流を流しておきます。
    そうすることにより予めワイヤを加熱しているため、作業時間に対する溶着量を増やすことができるようになり、ホットワイヤ法はコールドワイヤ法に比べて約3倍の溶加材を溶着することができるため、短時間での溶接を行うことができます。
    ホットワイヤ法は、「高品質な溶接ができるものの、溶着に必要な溶加材の量を得るために時間がかかってしまう」というティグ溶接の短所を補う溶接法となります。

【プラズマ溶接】

プラズマ溶接とは、電極と母材との間に発生させるプラズマアークを利用して行う溶接法のことをいいます。

プラズマ溶接の特徴は大きく分けて以下の6点です。

  1. ティグ溶接と同じように、タングステン棒を電極として使用しますが、プラズマ溶接の特徴は電極を包むノズルとプラズマガスによってアークが広がらないよう絞られている
  2. プラズマ溶接は熱集中性が高いためビード幅が狭く高速で、歪の少ない溶接が可能である
  3. アークの指向性が高いため、すみ肉溶接に適しており、スパッタも発生しない
  4. 電極消耗が少ないために長時間高品質の溶接が可能である
  5. プラズマ溶接の溶接機自体はティグ溶接機に比べ高価ではありますが、ランニングコストはプラズマ溶接の方が安価となる
  6. 自動溶接にも最適な溶接法の1つとなっている

プラズマ溶接時においてトーチ内を流れるパイロットガスはパイロットアーク熱によってイオン化され、イオン化したパイロットガスは、プラズマジェットとなってノズル孔から噴出しアーク電流の導電体となります。
これらによって、アークは絞られることによりエネルギー密度の高いアークへと変化し、インサートチップ孔から噴出します。アークの広がりに関してはティグ溶接のアークに比べて約4分の1程度となっており、電流密度が高められたアークを得ることができます。

非消耗電極式溶接

非消耗電極式溶接とは電極は溶融せず溶加材(溶接棒)を母材へ溶かし込む溶接方法をいいます。
そのため、非消耗電極式溶接は作業が長時間にわたって高温に耐え続けることができ、電極が溶接中にほとんど溶融しません。
また、消耗電極式に比べてアーク長を一定に保ちやすく、広範囲の電流値にわたって安定したアークを出すことができるので熱の調節が簡単に行うことができ、薄板や、複雑な形状など、精密さが必要な溶接を行うことが可能になります。
作業に関しても安定性に優れ、比較的作業がしやすく、高品質でキレイに仕上がりやすくなっています。

 

【被覆アーク溶接】

被覆アーク溶接とは、母材と被覆アーク溶接棒という同じ材質である金属棒を電極として、母材と被覆アーク溶接棒との間に作られるアークを熱の元とする溶接法のことをいいます。
また、被覆アーク溶接は昔から使用されており、作業自体が手で行う溶接法であるため、手溶接と呼ばれることがあります。

被覆アーク溶接は、被覆アーク溶接棒から作られるガスやガラス状のスラグで溶けている金属を覆って溶接するため、現場溶接での風などの影響を受けにくいというメリットがあります。以前に比べ、被覆アーク溶接は炭酸ガスを使用して行うマグ溶接の半自動・自動機が普及してきているため、適用ケースは以前に比べて少なくなっていますが、まだ比較的安価な設備で、室内外問わず手軽に行えるといった利点が被覆アーク溶接にはあるため、このような状況を活かした場面では用いられています。

 

【マグ溶接】

マグ溶接とは、炭酸ガス又は、アルゴンと炭酸ガスの混合ガスである活性ガスを使用するアーク溶接の1つの方法となり、「炭酸ガスアーク溶接」または「CO2溶接」と呼ばれることもあります。

マグ溶接は、一般的には鉄系材料の半自動・自動溶接時に使用される方法ですが、溶接の際に炭酸ガスが化学反応を起こしてしまうため、アルミニウムなどの非鉄金属の溶接にはマグ溶接は適していません。マグ溶接は、半自動もしくは自動で溶接が行われるため、被覆アーク溶接時に使用する溶接棒の代わりに、マグ溶接は針金状の溶接ワイヤを電極として使用して溶接を行います。
マグ溶接時に使用するワイヤは、コイル状に巻かれ、ワイヤ送給装置に取り付けられています。その後、電動モーターを使用して送給ローラで自動的にトーチの先端部まで送られます。
このようなワイヤへの通電が行われるタイミングはワイヤを支えるコンタクトチップの通過時に行われます。
マグ溶接は、ワイヤと母材との間に発生させたアークを使用して、ワイヤと母材を同時に溶かしながら溶接していきます。マグ溶接時にアークや溶融地の周辺に対して大気からシールドするシールドガスは、ノズルで溶接部分の周辺に使用されます。

マグ溶接は、被覆アーク溶接に比べて電極の溶着速度が速く、「母材の溶け込みが深いため作業効率が良くなる」というメリットがあります。
また、マグ溶接には「溶接金属が良いものである」、「溶接トーチをロボットなどに導入して自動溶接を行うことができる」などのメリットもあります。

 

【ミグ溶接】

「ミグ溶接」とは、アーク溶接の1つの方法で、ティグ溶接と同じようにシールドガスに不活性ガスを使用しますが、ミグ溶接の場合は、放電電極が溶ける溶接法のことをいいます。

ミグ溶接の一般的な使い方は、ステンレスやアルミ合金の接合が一般的な使い方であり、溶接を行う素材によってシールドガスを使い分けます。
ミグ溶接時の電極には、針金状の溶接ワイヤを使用します。そのワイヤは、コイル状に巻かれており、ワイヤ送給装置に取り付けられ、電動モーターで駆動させている送給ローラーを使用して自動的にトーチの先端部まで送給されます。ミグ溶接時のワイヤへの通電は、コンタクトチップ通過時通電が行われます。
ミグ溶接は、ワイヤと母材との間に発生させたアークで、ワイヤと母材を同時に溶かしながら溶接します。この溶接するとき、大気からシールドするシールドガスは、ノズルで溶接部周辺に使用されます。

 

【エレクトロガスアーク溶接(EGW)】

エレクトロガスアーク(EGW)溶接とは、厚板に対して立向姿勢で非常に能率良く、安定した溶接をするために開発された溶接方法のことをいいます。

エレクトロガスアーク溶接は1960年代当初は厚板への対応から始まり、次第に溶接範囲が増えていき、次第に造船や建造物の鉄骨、架橋など主に大型の造形物に適用されていきました。その後、最近では、エレクトロガスアーク溶接に関わる装置の改良が行われたため、厚板から薄板への対応や狭開先化で用途が以前に比べて非常に広くなりました。

シールドガスには、炭酸ガスを使用することが多いのですが、エレクトロガスアークでは、他の方法としてはアルゴンのみを使用したり、アルゴンに炭酸ガスもしくは酸素を混合したガス・アルゴンにヘリウムを混合したガスなども使用したりします。

エレクトロガスアークの溶接ワイヤには、フラックス入りワイヤを使う頻度が多いのですが、時折ではありますが、ソリッドワイヤが用いられる場合もあります。エレクトロガスアークの溶接電源には、直流定電圧特性電源または直流定電流特性電源が使用されます。

エレクトロガスアークは、溶融池を母材の端と銅当て金や耐火性裏当て材などで囲み、溶融金属の垂れ落ちを防止しつつ立向上進溶接をするため、厚板を1回の操作で溶接することができます。

アーク溶接の原理(メカニズム)

アーク溶接時には、「アーク放電」という電気的現象を利用して溶接します。
アーク放電とは、気体の放電現象の1つの方法で、空気中に発生する電流のことをいいます。

2つの離れた空間的に位置する電極に対して電圧をかけていき、しばらくすると空気の絶縁が壊されて2つの電極の間に電流が発生するとともに強い光と高い熱を発生します。

 

このように2つの離れた空間的に位置する電極に対して電圧をかけた時に発生する弧状の光を「アーク」といい、アークの熱を熱源として利用する溶接方法を「アーク溶接」といいます。

アーク溶接を行う時は、電極(溶接棒もしくはワイヤ)にプラスの電圧、母材にマイナスの電圧をかけます。
プラスの電圧とマイナスの電圧をかけることにより母材から電極へのアークが発生します。
アークの出力電流は約5A~1,000Aとなっており、出力電圧は8~40V程度となっています。
また、アークの温度は約5,000度~20,000度と非常に高温となっており、鉄の融解温度は約1,500度となっています。

アーク溶接のメリット・デメリット

アーク溶接は、消耗電極式溶接と非消耗電極式溶接の2種類に分かれます。
ここからはそれぞれのメリット・デメリットをご説明します。

 

消耗電極式溶接のメリット・デメリット

消耗電極式は、母材とほぼ同じ成分のワイヤーもしくは溶接棒を使用して行います。電極となるワイヤーが溶加材の役割をして自動で供給されるので、半自動溶接ともいわれます。
ここでは消耗電極式のメリット・デメリットをご説明します。

 

【被覆アーク溶接】

被覆アーク溶接は、金属の心線に被覆材であるフラックスを被せた溶接棒を使ってアーク放電を発生させる溶接機のこといいます。

メリット
  • 設備と装置が小型なため値段が安価となり導入しやすい
  • 被覆剤が溶融して発生するガスやスラグが母材を覆うため、シールド効果を得やすくなり、現場の環境悪化による影響を受けにくくなる
  • 「手作業で行う」ことが被覆アーク溶接を行う前提となるため、素材や構造に関わらず溶接を行うことが可能となる

 

デメリット
  • 溶着の効率性が低いため、溶接棒の交換やスラグ除去などの手間がかかってしまう
  • 溶接の際に発生した金属蒸気が凝集して多量のヒュームが発生してしまう
  • 手作業で行うことが前提であるため、溶接者の技術力によって品質に差が生まれてしまう

 

【炭酸ガスアーク溶接】

炭酸ガスアーク溶接とは、シールドガスに二酸化炭素を使うアーク溶接のことをいい、日本では、半自動溶接の中で、空気中の二酸化炭素から資材を取り出せる「炭酸ガスアーク溶接」が、最も一般的な方法となっています。

メリット
  • 炭酸ガスの値段が安価であるため負担が少なく経済的である
  • 薄板の溶接を行うのに向いている
  • アークの状態を確認しながら作業を行うことができる

 

デメリット
  • 薄板の溶接には向いているものの、厚板の溶接には向いていない
  • 作業者が作業することによって発生する一酸化炭素を吸わないようにするため、換気に注意することが必要である
  • 溶接時に飛散する微粒子であるスパッタが比較的発生しやすいため、接合面の外観が悪くなりやすい
  • 作業においてガスを使用するため、風の影響を受けやすくなってしまう。

 

【ミグ溶接(MIG溶接)】

ミグ溶接とは、シールドガスに不活性ガスのみを使用して、金属電極棒が送給ローラーで自動的に母材に送り込まれ、そのまま溶融して溶接する方式となっています。
ミグ溶接は、主なメリットとして仕上がりが美しくなるものの、デメリットとして値段が高価になってしまいます。

メリット
  • 溶接速度が速いため、仕上がりが美しくなる
  • 非鉄金属にも使用することができる

 

デメリット
  • 不活性ガスの値段が高価でコストが高くなる
  • 不活性ガスは、アークが広がりやすく、接合面の溶け込みが浅くなるため溶け込み不良が発生しやすくなる
  • 溶け込みの不良があると、強度の低下や応力集中による亀裂発生などが生じてしまう可能性がある
  • ガスを使用するため、風の影響を受けやすくなる

 

【マグ溶接(MAG溶接)】

マグ溶接とは、シールドガスに不活性ガスと炭酸ガスを混合して使う方法のことをいいます。

メリット
  • ミグ溶接に比べて溶け込みが深くなる
  • 炭酸ガス溶接よりもスパッタの発生が少ない

 

デメリット
  • 炭酸ガスを使用するため、アルミニウムなどの非鉄金属には使用することができない
  • ガスを使用するため、風の影響を受けやすい

 

サブマージアーク溶接】

サブマージアーク溶接とは、粒状のフラックスと溶接ワイヤを使用する溶接方法のことをいいます。

メリット
  • 太いワイヤーと大電流を使用するため、スピーディな溶接が可能となる
  • 溶け込みの深い溶接を行うことができる
  • フラックス中でアークが発生するため遮光をしなくてよい
  • スパッタやヒュームがあまり発生しない
  • 風の影響をほとんど受けない
  • 仕上がり品質が作業者の技量によってあまり変わらずに行える

 

デメリット

・溶接時の姿勢が下向き・水平・横向きに限られてしまう
・溶接面の形状が、限られやすくなり、直線かそれに近い曲線となってしまう
・フラックスの供給と回収が必要となり、更にスラグの剥離も必要となる
・溶接熱が大きくなりすぎてしまうと、影響部の軟化や脆化がおこってしまうことがある

 

【セルフシールドアーク溶接】

セルフシールドアーク溶接とは、シールドガスを外部から供給しないで行うアーク溶接方法のことをいいます。
メリットとしては、風の影響を受けることがないもののデメリットとしては、専用ワイヤーが必要なためコストがかかってしまいます。

メリット
  • ガスボンベを使用する必要性がなく手軽に溶接することができる
  • ガスを使用しないため、風の影響を受けることがない

 

デメリット
  • ガスシールドアーク溶接に比べ、スパッタやヒュームが多く出てしまう
  • 仕上がりに関しては被覆アーク溶接と同じくらいになってしまう
  • ボンベは使用しなくてもよいものの、その代わりに専用ワイヤーが必要となり、コストがかかってしまう

【スタッド溶接】

スタッド溶接とは、アーク放電の強い電流により、スタッドと母材を溶融、接合させる溶接方法のことをいいます。
メリットは、技術者の技量によって差がみられにくい事、デメリットは溶接できる箇所とできない箇所が分かれてしまうところがあります。

メリット
  • 溶接時間が短いため、母材に与える影響が少ない
  • 溶接を行う品質がその技術者の技量によって変化が出ない
  • 生産性と接合強度が高くなる

 

デメリット
  • 溶接することが可能な箇所と不可能な箇所があり、分かれてしまう
  • 明確な検査方法がない

非消耗電極式のメリット・デメリット

非消耗電極式では、電極にタングステンが使用され、アーク放電のみを行います。
そのため、非消耗電極式の溶接方法では、溶接棒などの溶加材を別で用意する必要があります。

ここでは、非消耗電極式のメリット・デメリットをみていきます。

 

【ティグ溶接(TIG溶接)】

ティグ溶接とは、放電用電極としてタングステンを使用し、アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスをシールドガスとして使用する溶接方法のことをいいます。
メリットは、精密な溶接を行うことができるものの、溶接速度が遅くなってしまうデメリットがあります。

メリット
  • 薄い板や複雑な形状など精密な溶接が可能である
  • 溶接後の仕上がりがキレイに仕上げることができる
  • 不活性ガスを用いるため、スパッタがほとんど出ることがない
  • 電極の消耗が少ないため溶接の時間が連続で長時間行うことが可能である

 

デメリット
  • ガスを使用するため風の影響を受けやすい
  • 溶接速度が遅いため、大量生産などには向かない
  • 溶接速度が遅いため、不活性ガスのコストがかかってしまう
  • 仕上がりが作業者の技術によって差が出てしまう

【プラズマアーク溶接】

プラズマアーク溶接とは、タングステンを放電用電極として使用してプラズマアークを熱源とする溶接機械をプラズマ溶接機といい、プラズマ溶接機を使用して溶接する方法をプラズマアーク溶接といいます。

仕上がりが美しくなるメリットがあるものの、ランニングコストがかかってしまうデメリットがあります。

メリット
  • 高エネルギーのアークで溶接を行うため、非常に速くまた歪みの少ない溶接が可能となる
  • アークの指向性が高いため、アークをコントロールしやすく美しい仕上がりとなる
  • スパッタが発生することがない
  • 電極の消耗が少ないため長時間の連続での溶接が可能となる
  • 薄板の溶接に対しても可能である

 

デメリット
  • 溶接トーチの使い方が少し難しい
  • 装置の価格が高い・消耗部品が多い・ガス使用量が多いなど様々なランニングコストがかかってしまう
  • 溶接制度が厳しくなる

アーク溶接の方法とコツ

アーク溶接を成功させるコツについて「準備物」「アーク溶接の方法」「溶接完了の確認」の3点についてご説明します。

 

アーク溶接を行うための準備物

アーク溶接を行う前に必要な道具の準備があります。最低限必要な準備物は以下の6点です。

  1. アーク溶接機
  2. 溶接棒
  3. 遮光マスク
  4. 革手袋
  5. 防護服(エプロンなど)
  6. 溶接のカスをたたき落とすためのハンマー

アーク溶接機や溶接棒の他に、遮光マスク、革手袋や防護服などには、作業者の安全を確保する為に重要な役割があります。

 

アーク溶接の方法

実際のアーク溶接の方法をご説明します。アーク溶接は、まず「溶接棒」を持ち電流を発生させ、溶接棒を溶接したい金属部分に当てます。金属部分を何回か叩くと電流が飛び始め、その電流の熱によって金属を溶かし溶接を行います。適切なアーク溶接が行われていれば、接着剤を使った場合とは比べものにはならない程、金属同士を強固にくっつけることができます。

アーク溶接を上手く行うためには、電流の調整が重要となります。もし、電流が小さければ金属がしっかりと溶けない場合があり、一方、電流が大きいと金属が溶けて穴があいてしまう場合があります。

また、溶接棒にも太さが色々あり、太さによっては電流が不安定になり溶け込みが不十分となってしまう場合もあります。そのようなこと防ぐためのコツは、溶接棒をくっつけすぎずに、溶接棒と金属の距離感を一定の距離で保つことです。

 

溶接完了の確認

溶接が上手くいったかどうかは、「溶接痕(ようせつこん)」をチェックします。
溶接痕は、上手く行えていると貝殻のような模様が連続して付きます。そのような模様になっていれば上手く出来ている証明となります。

アーク溶接をする際の注意点

アーク溶接をする際の注意点は様々ですが、以下3点が重要な注意点です。ひとつずつご説明します。

 

溶接を行う方法に合った溶接機を使用する

アーク溶接には、オーソドックスなものから「TIG溶接」「半自動溶接」などの方法がありますが、これらの方法は、それぞれの場面や材料、環境に応じて適した使用シーンがあります。
目的によって溶接方法を適切に使い分けることは、作業の効率を上げる事と安全性を高める事に重要なポイントです。

 

溶接する際は遮光マスクを必ず付けるようにする

アーク溶接時は、火花が飛び散ってしまうだけではなく、作業時において瞬間的に強い光が発せられるため、その強い光から目を保護する必要性があります。
このように強い光から目を保護するために、遮光マスクは、必要な用具であり作業を始める前に必ず遮光マスクを装着していることを確認しましょう。

 

溶加材などの消耗品は常に多めに用意しておく

アーク溶接時においては、溶加材を使用することもありますが、この溶加材は、消耗品となるため作業の途中でなくなってしまう可能性があります。
場合によっては、アーク作業中に持ち場を離れることができない場合があるため、溶加材などの消耗品は、あらかじめ多めに用意しておきます。

アーク溶接以外の溶接方法

溶接方法に関しても様々な方法があります。アーク溶接以外の溶接方法を以下でご説明します。

 

液相接合(ロウ付け・はんだ付け)

ロウ付けとはんだ付けというのは、母材は溶融せず、ロウ、はんだ自身が溶融して接合する液相接合に分類されます。そのため、それらの融点は低くなっており、ロウ付けの銀ロウ使用の場合で650度程度、はんだ付の鉛フリーハンダで220度程度となります。

 

固相接合(摩擦攪拌接合)

固相接合は、接合させる母材同士の接触部に、丸棒上のツールを押し付けながら速く回転させます。そうすることにより、摩擦熱で母材が軟らかくなり、回転力によって接合部周辺が塑性流動し、元々の接触部界面が消失し接合します。

アーク溶接のおすすめ機種

ここでは、単相100V専用と単相200V専用のアーク溶接のおすすめ機種を紹介していきますので、実際にアーク溶接を行う際に参考にして下さい。

 

単相100V専用

スズキッド製ホームアークナビプラス。
値段が安い家庭用小型低電圧溶接機。鉄及びステンレスの溶接にむいています。

電源 AC100V
使用率 20%
溶接棒径 1.4~1.6mm
適応板厚 1.2~3.0mm
販売価格 8,480円

日動工業製デジタルインバーター直流溶接機 BMウェルダー100 BM1-100DA。
デジタル表示で細かい数値設定が可能となっており。以前よりよりスムーズに溶接作業を行うことができます。

電源 AC100V
使用率 20%
溶接棒径 2.6mmまで
適応板厚 5.0mmまで
販売価格 54,864円

単相200V専用

スズキッド製直流インバータ溶接機 アイマックス180 SIM-180。
電撃防止機能スイッチが付いています。別売品を購入すればTIG溶接を簡単に行うことができます。

電源 単相AC200V
使用率 40%
溶接棒径 2.0~4.0mm
適応板厚 2.0~9.0mm
販売価格 48,600円

マイト工業製デジタル直流インバータ溶接機 MA-250DF。
使用率60%で耐久性が向上みられています。デジタル表示となっており出力電流設定が正確に可能となっています。
直流出力・デジタル制御で安定した出力を実施可能となっています。

電源 単相AC200V
使用率 60%
溶接棒径 5.0mmまで
適応板厚 7.5mmまで
販売価格 86,780円

まとめ

今回は、アーク溶接について詳しく解説しました。

アーク溶接は、大きく消耗電極式溶接(溶極式)と非消耗電極式溶接(非溶極式)の2種類に分かれます。
消耗電極式溶接及び非消耗電極式溶接には、様々な種類があり、それぞれの方法に対してメリット・デメリットがあり、正しい手順やコツがあります。

これらを正しく理解し、各状況に合わせて正しいアーク溶接を選びましょう。

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