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2020.07.01 溶接topics

​溶接工の単価を解説!賃金アップの方法は?

目次

溶接工の仕事に就きたい人にとって、気になるのは単価などの収入面。既に溶接工として働いている場合は、賃金アップの方法が知りたくなるものです。この記事では溶接工の単価・月収・年収・賃金アップの方法を紹介します。稼げる溶接工になりたい人は参考にしてください。 

 

溶接工の仕事とは? 

金属をつなぐことによってモノづくりの一端を担う溶接工。工場で自動車や家電製品などを扱ったり、建設・工事・造船所などの現場で建物・配管・船舶などを溶接したりします。熱や圧力を加えるなど溶接方法は多岐にわたり、それぞれの仕事に適した技術や知識を身につける必要がある専門職です。 

 

溶接工の単価・給料はどのくらい? 

専門職の溶接工は賃金が高いという評判もありますが、なかなか給料が上がらないという人もいるものです。実際はどうなのか、具体的な溶接工の単価と給料について解説します。 

 

溶接工の単価 

公共工事で1日8時間労働した場合の溶接工の単価(積算)は全国平均23,000円です。地域によって下記のような違いがあります。 

 

  • 北海道:22,000円 
  • 東北:22,300円 
  • 関東:26,800円 
  • 北陸:22,500円 
  • 中部:25,800円 
  • 近畿:22,700円 
  • 中国:20,000円 
  • 四国:22,500円 
  • 九州:20,500円 
  • 沖縄:20,900円 
※国土交通省「平成28年2月から適用する公共工事設計労務単価について」より 

 

上記の単価は公共工事の積算です。雇用・下請契約の溶接工の単価とは異なり、時間外・休日・深夜労働の割増賃金や労働手当などは含まれていません。また、公共工事以外にも溶接工の仕事はさまざまなので、上記の単価はあくまでも目安として参考にしてください。 

 

そのうえで公共工事の積算を他の職業と比較してみると、例えば東京都の単価の場合下記のようになります。 

  • トンネル作業員22,700円 
  • 鉄骨工    :24,000円 
  • トンネル特殊工:26,100円
  • 塗装工    :26,300円 
  • さく岩工   :26,500円 
  • 潜かん工   :28,000円 
  • 溶接工    :28,200円 
  • トンネル世話役29,900円 
  • 潜かん世話役 :33,100円 
上記のうち潜かん世話役やトンネル世話役についで単価が高いのが溶接工です。同じ条件の賃金としては、溶接工が高収入であることがわかります。 

 

溶接工の給料 

一般的には雇用契約や下請契約として働く溶接工が多くなります。給料として受け取る場合の溶接工の月収目安は平均290,000円程度、年収目安は平均4,650,000円程度です。 

 

仕事内容や勤務年数などによって職場ごとに違いはありますが、溶接工の経験に応じた月収目安は次のようになります。 

  • 見習い溶接工:約200,000~250,000円 
  • 中堅溶接工:約270,000~340,000円 
  • ベテラン溶接工:約400,000~500,000円 
 

溶接工の経験に応じた年収目安は下記のとおりです。 

  • 見習い溶接工:約3,000,000円 
  • 中堅溶接工:約4,400,000~5,000,000円 
  • ベテラン溶接工:約6,500,000~8,000,000円 
 

職場によっては見習い溶接工でも月収300,000円という場合もあります。また、独立して一人親方となり年収8,000,000~10,000,000円以上稼ぐ人もいますが、自営業や個人事業主の場合は福利厚生や経費などの支出が別途かかる点に注意が必要です。 

基本的に溶接工は単価や給料が比較的高い職業ですが、状況に応じて幅があります。 

 

溶接工が単価・給料を上げるためには? 

さまざまな状況によって単価や給料に幅がある溶接工。「スキルアップ・転職・稼げる分野・一人でこなす」という4つのポイントに注目すると、賃金が上がる可能性は高まります。この4つのポイントについて詳細をまとめました。 

 

溶接工としてスキルアップする 

「アーク溶接」「スポット溶接」(抵抗溶接)「ティグ溶接」「ガス溶接」「半自動溶接」「マグ溶接」などのどれかひとつを覚えて、工場で流れ作業を繰り返すだけの溶接工はなかなか賃金が上がりません。溶接方法の幅を広げたり、それぞれの技術を極めたりする努力が賃金アップにつながります。 

溶接前に切断や曲げといった加工をしたり、製造工程を管理したり、「レーザー溶接」の技術を身につけて炭素鋼だけでなくステンレス鋼なども扱えるよう対象材料の幅を広げるなどのスキルアップも大切です。 

一般社団法人「労働技能講習協会」が主催する講習を受け、一般社団法人「日本溶接協会」による「溶接管理技術者資格」などの専門資格を複数取得することによって技術を高めることができます。同じ職場で同じ年数働いても賃金の差は出るものです。

 

どのようなスキルが求められているのかをしっかり把握して、日々自己研鑽を続けるようにしましょう。 

 

別の工場へ転職する 

さまざまな溶接方法を覚え、それぞれの技術を極めても、勤務している工場ではスキルを活かせないケースもあります。流れ作業に徹していて、ほとんど同じような作業を繰り返すことのほうが望ましい工場もあり、その場合は勤続年数を重ねてもあまり賃金が上がりません。 

職場の上司や先輩がどのように昇格・昇給しているのか、していないのかといった情報が判断材料になります。 

 

それほど賃金が上がらなくても構わないタイプの人ばかりが残っているようであれば、別の工場へ転職するのもひとつの方法です。他の職業だと同業他社への転職はリスクが高い場合もありますが、溶接工は資格や実績が賃金へと反映されやすい専門職なので、キャリアアップを理由とした転職は歓迎される傾向にあります。 

ひとくちに溶接といっても扱う製品や溶接方法・対象材料などは多種多様です。経験したことがない分野溶接へと転職し、新たな実績を積むこともできます。向上心が認められ、スキルが適正評価され、賃金アップへとつながることも夢ではありません。 

 

賃金が上がらない状況に不満を抱きながら変化を恐れるのではなく、前向きに転職を検討してみましょう。 

 

溶接工の中でも稼げる分野で仕事をする 

せっかく転職しても、賃金がほとんど上がらなかったり新たな経験を重ねることができなかったりするようでは意味がありません。溶接工の中でもなるべく稼げる分野で働くようにしましょう。とくに注目したいのは配管・造船・高所・水中・航空宇宙の5分野です。 

 

稼げる溶接職種.1 配管溶接 

水道管・ガス管・エアコンの冷媒配管などの住宅設備、建設現場や工事現場、ビル・工場などの建物など、さまざまな分野で配管を溶接しますが、こうした配管のみを専門に行う人を「配管溶接工」といいます。専門的な知識や技術が必要で、高所での作業が伴うこともあるため高収入です。 

 

配管を含め、ボイラーを溶接する際は「ボイラー溶接士」という国家資格の取得が義務づけられていて、とくに高度なスキルが求められ安全性に配慮する必要があるので、賃金は非常に高くなっています。ただ、溶接の中でも専門特化型の配管溶接工やボイラー溶接士は、他の溶接への応用が利きにくい点に注意が必要です。 

 

稼げる溶接職種.2 造船溶接 

船舶を建造する造船所の現場で働く「造船溶接工」も賃金が高くなります。大型船舶の場合、設計図に基づいて鋼材を曲げ・切断・プレス加工し、ブロック組立を行い、そのブロックを船台に搭載、進水するという流れです。 

 

このブロック組立の際に多層盛溶接の一種「ブロック溶接」を行うなど、造船溶接工として活躍するための専門的な技術が必要になります。また造船溶接を極め、工程・安全・品質を管理する監督業務に就くことでもさらに賃金を上げることが可能です。他の溶接への応用が利きやすいところも魅力になります。 

 

稼げる溶接職種.3 高所溶接 

ビルや塔などの高層建築物の建設現場で行う溶接は場所が高所であるというだけでなく、高所に耐え得る強度や品質の鋼材を使う点がポイントです。ちなみに東京スカイツリーの場合は、工場と現場の両方で約37,000ものパーツすべてが溶接によって組み立てられました。 

 

溶接後は溶接部に割れや融合不良などの欠陥がないかどうか超音波で検査しますが、一般構造用のSS材・溶接構造用のSM材・建築構造用のSN材より、高層建築構造用のTMCP鋼・高張力鋼・低降伏点鋼などの鋼材のほうがより高度な技術を必要とするものです。 

総合的に難易度が高いため、高所溶接は高収入になっています。 

 

稼げる溶接職種.4 水中溶接 

さらに難易度が高まるのが「水中溶接工」です。海・川・湖・ダム・下水道施設・プール・水族館などの水中で、水中構造物の建造やメンテナンスを行います。視界が悪く、すべての動作が地上とは異なるうえ、水中独特の溶接技術が求められ、安全性に配慮する必要があり、「潜水士」という国家資格が必要です。 

 

こうした難易度に応じて賃金は非常に高くなっているので、スキルアップを図りたい人はぜひ挑戦してみてください。 

 

稼げる溶接職種.5 航空宇宙 

航空機・ロケット・宇宙船・人工衛星などの航空宇宙機器についても、溶接の技術が用いられています。ただし航空宇宙の分野で溶接工として活躍するためには、まず大学や専門学校などで航空宇宙工学についてしっかり学ぶことが大切です。 

さらに「アーク溶接」「スポット溶接」「ろう付け」などの溶接方法に加えて、「特殊工程」にかかわる規定に応じた溶接資格を取得する必要があります。アルミニウム合金(ジュラルミン)・ステンレス鋼・チタン・チタン合金など、航空宇宙機器用の軽い材料を扱うことになるからです。 

 

賃金アップを望むのであれば高品質・高精度な溶接を心がけ、進化し続ける溶接技術に対応するようにしましょう。 

 

一人で仕上げまですべてこなせるようにする 

稼げる分野への転職は希望があるものの、実行するとなると難しいという場合は、現在の仕事をすべて一人で行えるようにする方法がおすすめです。溶接前の計図、曲げ・切断・プレスなどの加工から、溶接後の酸洗い・バフ研磨(羽布研磨)などの焼け取り、塗装などの仕上げまで。 

 

これらの技術を身につけ、工程管理を行えるようになると昇格・昇給への道が開けます。 

 

まとめ 

さまざまな分野で活躍する溶接工の単価や賃金アップの方法について解説しました。1日8時間あたりの公共工事での溶接工の単価(積算)は、全国平均23,000円。他の職業と比べると高い賃金になっています。給料としては月収200,000~500,000円程度、年収3,000,000~8,000,000円程度です。 

賃金を上げるためには溶接方法の幅を広げたり、一人ですべての工程をこなしたりするなどの自己研鑽が欠かせず、配管溶接工や造船溶接工といった稼げる分野への転職もひとつの方法になります。これらを参考にしながら、自分に適したやり方で稼げる溶接工へとスキルアップしてください。 

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