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2023.06.28 溶接topics

建物構造、鉄骨構造の種類を解説!メリットやデメリットも紹介

目次

皆さんは建物がどのような構造で建てられているのかご存じでしょうか?

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などが有名ですが、建築業界には他にも様々な建物構造があります。「建物構造」とは、建築物の骨組みに使用されている建築材料のことを指します。建物構造は、骨組みの中の力の流れ、骨組みの形式、材料や架構の作り方により様々なバリエーションがあり、建物構造で建築コストや建物の耐久性などが変わってきます。

各構造の意味とそれぞれの違いを、鉄骨を使用する構造と使用しない構造に分けて解説していきます。

 

鉄骨を使わない建物構造

W造(Wood):木造

主な構造材として木を使う構造です。戸建て住宅やアパートに用いられており、特に戸建て住宅の92.5%は木造が占めています。(総務省統計局:平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計 結果の概要 (stat.go.jp))日本の風土に合わせやすく、春夏秋冬という季節の移ろいにも対応しやすいと言われています。

 

メリット

建築コストが低く建物自体が軽いため、地盤に負担をかけにくく耐震性も良いことがメリットです。また、構造に制約が少なく、開放的な間取りや増改築に対応しやすくなります。そして、木造は断熱性に優れています。「木は燃えやすい」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実は木は熱伝導率が低く、燃えにくい性質を持っています。

 

デメリット

木造は現場加工が多いため、職人の腕によって仕上がりに差が生じやすいです。また、シロアリ被害や台風などの災害に弱いです。そのため、通風や通気性を確保することや定期的に維持管理を行うことが必要となります。

 

AL造(Aluminium):アルミ造

柱や梁、筋交いにアルミ製の部材を使用した構造です。戸建てや2階建てのアパート、ガレージや海の家など、小型物件で用いられています。

 

メリット

アルミニウムは鉄の3分の1ほどの軽さであるため、加工がしやすく、工期も短いです。また、アルミニウムはサビや腐食に強いため、潮風の影響を受けやすい海沿いの住宅によく用いられています。さらに、簡単に再生することができるため、リサイクルにも適しています。

 

デメリット

強度が低いため、大型の建物に使うことは困難です。また、熱を伝えやすい材料であるため、断熱性は良くありません。

 

RC造(Reinforced Concrete):鉄筋コンクリート造

引っ張る力に強い「鉄筋」と、圧縮力に強い「コンクリート」を一体化させて建物を支える構造です。最初に「鉄筋」を組み、その後型枠に「コンクリート」を流し込み固めています。RC造の一般的な適正階数は、「2階〜8階建の中高層階マンション」となっています。

 

メリット

厚いコンクリートでつくられるため、遮音性や断熱性、耐久性に優れています。

 

デメリット

通気性が悪く、結露やカビなどが発生しやすいです。また、柱と梁が出っ張ってしまうのでその分部屋が狭くなってしまいます。

WRC造(Wall Reinforced Concrete):壁式鉄筋コンクリート構造

柱・梁・桁を設けず、基本的に全て壁だけで建物の荷重を支える鉄筋コンクリート造のことです。戸建住宅や低層の集合住宅などによく用いられます。

 

メリット

6面体で地震や台風などの影響を受け止めるため、変形や歪みが起こりにくい造りになっています。過去の大震災において倒壊はもちろん大きな被害を受けた例はないと言われています。

 

デメリット

一定以上の壁の長さや厚みが必要となるため、壁に設置するドアや窓の場所が限定されてしまい、設計の自由度が低くなります。

 

CB造(Concrete Block):コンクリートブロック造

コンクリートブロックを積み重ねてつくる構造のことです。コンクリートブロックの内部には鉄筋が通され、コンクリートやモルタルなどを使用して補強しています。プレハブなどの小規模な建物や、塀などの外構に使用されることが多いです。

 

メリット

コンクリートブロックは比較的簡単に入手することが可能であり、コンクリートブロック造は鉄筋やコンクリート、モルタルなどで補強されているため、耐火性にも優れています。

 

デメリット

ブロック自体が水分を含むことにより防湿性に劣ることに加え、増改築が困難です。そのため、一戸建てやアパートなどの集合住宅といった大きめの建物の構造として採用されることは多くありません。

 

PC造(Precast Concrete):プレキャストコンクリート造

工場であらかじめ作られた鉄筋コンクリートを使用した構造のことです。PC工法やプレコンと呼ばれることもあります。

 

メリット

建築の際には、工場から運ばれてきたPC板を現場で組み立てるだけで作業が完了するため、工数が減り、人件費を節約することができます。また、PC造は工場において規格された鉄製の型枠を再利用するため、コンクリートを製造するときの木型の型枠の廃材が出ないこともメリットの一つです。そして、PC造は高い耐震性のある鉄筋コンクリートを使用するため、大きな地震にも安心です。日本地震工学会の「被害状況調査の収集によるプレキャスト建築物の被災の傾向」によると、東日本大震災でもPC造の住宅の98.9%が無被害・軽微であったそうです。

 

デメリット

コンクリートパネルの接合部から水漏れするリスクがあります。また、コンクリートには熱を長時間ため込む特徴があるため、夏場はコンクリートから伝わる熱で冷房が効きづらいことが多くあります。

 

 

鉄骨を使う建物構造

S造(Steel):軽量鉄骨造

柱や梁などの建物の骨組みに厚さ6mm未満の鋼材を使用した構造です。一般的な戸建て住宅で多く採用されています。

 

メリット

多くの場合、事前に工場で建物に必要な建材を全て作っておき、現場に持ち込んで組み上げる「プレハブ工法」と呼ばれるやり方で建築を進めるため、コストが安く工期が短いです。また、柱の鉄骨が折れにくいことから、地震に強いこともメリットの一つです。

 

デメリット

鉄には熱が伝わりやすい性質があるため、通気性や断熱性が低いです。また、鋼材を伝って音が響くので、防音性も良くありません。

 

S造(Steel):重量鉄骨造

鉄骨造には、「軽量鉄骨造」の他に「重量鉄骨造」という構造があります。双方の違いは、構造材として使う「鋼材の厚さ」です。重量鉄骨造は柱や梁などの建物の骨組みに厚さ6mm以上の鋼材を使用するものを指し、主にビルや集合住宅などの大型建築物に多く用いられます。

 

メリット

耐震性や耐久性に優れており、頑丈な鋼材で骨組みを作るため、柱や壁が少ない大空間も実現可能です。

 

デメリット

材料に重量があるため、地盤工事や基礎工事には特に費用がかかります。

 

SRC造(Steel Reinforced Concrete):鉄筋鉄骨コンクリート造

鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造です。柱の中に「鉄骨」を埋め込んでから、「コンクリート」を流しています。SRC造の一般的な適正階数は「8階建以上の高層階マンション」となっていることから大型マンションやビルなどで使われる構造です。

 

メリット

耐震性と耐火性能が高く、柱や梁を多く必要としないため、大空間を作ることができます。

 

デメリット

強度を確保するために柱や梁が太いので、建物自体の重量が重くなることによって施工が難しい点が挙げられます。また、鉄骨と鉄筋コンクリートを併用しているため、工程が複雑になり、工事期間が長期間に及びます。

 

CFT造(Concrete Filled Steel Tube):コンクリート充填鋼管構造

円形または角形の鋼管にコンクリートを流し込んで柱にする構造で、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)に続く第四の構造と呼ばれています。

 

メリット

耐久性や耐震性に優れているため、S造以上に柱や梁を細くしても大丈夫で自由度の高い設計が可能となります。

 

デメリット

コンクリート充填鋼管構造の建築には、コンクリートの品質管理や鋼管へのコンクリート充填に高い技術が必要となります。そのため、施工技術に優れた業者をしっかり見極める必要があります。

 

RS造(Reinforced-Steel)

建物の下位部分にある柱、壁、床、天井などはRC(鉄筋コンクリート)で造り、その上部の架構部分を鉄骨造など異なる構造で構成する構造です。主に中低層マンションなどで用いられます。設計の自由度が高いため、デザイナーズマンションにも用いられています。

 

メリット

鉄筋コンクリート造よりコストを抑えることができ、鉄骨造よりも耐久性があります。

 

デメリット

上層階と下層階で構造が違うため、気密性や遮音性などが異なります。

 

RCSS構法(Reinforced-Concrete & Steel System)

RC柱と鉄骨梁の複合化構造(RC柱S梁混合構造)のことです。RCS工法とも呼ばれ、梁は鉄骨造で、RC造柱を貫通する形式です。

 

メリット

低コストのRC造と曲げに強く短工期のS造の両長所が組み合わされています。また、柱間スパンを大きくできるため、ショッピングモールや物流倉庫等の空間を確保することに優れています。

 

まとめ

株式会社影山鉄工所では、S造だけでなく、SRC造、CFT造、RCSS構法等、様々な鉄骨ニーズに対応できる体制があります。Hグレード認定工場の強みを生かし、自社開発の生産管理システムを活用した大型物件の効率化生産を実現しています。

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