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2023.08.31 溶接topics

鉄骨製作における鉄工所の設計(現寸)の仕事とは?

目次

鉄工所と聞くと、製造職のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?その中には、品質管理や設計(現寸)や営業、工務事務など様々な仕事があります。建築鉄骨の生産プロセスは、建設現場での建方に至るまでに設計(現寸)・工場製作・現場施工の3つの段階に大きく分けられています。それぞれの段階は相互に連携することで、1つの建物を作り上げます。

今回は、その中でも鉄工所の設計(現寸)は実際にどのような仕事をしているのか、また、あると役立つ資格をご紹介していきます。

 

鉄骨製作における設計(現寸)とは?

現寸とは、縮尺しない実物と同じ寸法のことです。溶接個所や溶接量、工場の設備や工法などを考慮し、製品を要求された精度にするための寸法を現します。

 

鉄骨製作における設計(現寸)の仕事内容

設計図からCADデータ入力

発注元からの設計図をもとに施工図をおこし、工場で製品を作るのに必要となる工作図や現寸を鉄骨専用のCADシステムを使って作成します。現寸にあたっては、材料や製造工程、施工など専門的な知識を活かしつつ、発注元の要求に沿って作業することが求められます。鉄骨を製作するうえで全ての基準になるものなので、このデータ入力した一般図によって建築物全体の部材、寸法などを表現するようにしなければなりません。

この一般図とは以下のようなもののことを指します。

 

アンカープラン

梁伏図

軸組図

継手基準図

架構詳細図

溶接基準図

胴縁割付図

母屋割付図

 

発注元とのやり取りはこの図面を基に行っていき、作成⇒チェック⇒修正⇒提出⇒発注元チェックバック⇒修正⇒再提出の流れをとっていきます。これらの一般図の作成には専門知識が必要であり、鉄骨製作管理技術者といった資格を取得します。

材料の発注・発注明細作成

材料の発注とは、鉄骨生産に係る材料において「どのサイズがどれくらい必要」と市中材を買う時、先行で確保するための枠を取る時に発信する業務のことです。発注明細作成とは、鉄骨や鉄筋を工事に先がけて製鋼メーカーへ発注するための明細を作成することです。言葉の由来は、鉄骨や鉄筋は鉄を圧延して回転ロールにより製作するため、この作業を「ロール発注」と言うことから来ています。

材料が工場に入荷するまでの期間は、一般的な規格・サイズであれば1週間から1ヶ月位で入荷しますが、特殊な規格・サイズの場合は半年以上を要することもあり、材料やロール発注の納期を適切に考慮しなければ現場の工程が遅れてしまうため、重要な業務となります。

上記を考慮し、鋼材、ボルト、溶剤、塗料などの手配をし、購入します。

 

予算管理

発注時に建設価格が予想していた予算と大幅に乖離してしまうと、予算の積み増しにより経営収支の悪化や事業の中断ということもあり得ます。そのため、先に見積もりを取ってその後の予算を管理することがとても重要になります。

 

質疑書作成

質疑書とは、鉄工所から発注元へ工事の準備を進める中で意匠図、構造図から工場製作、現場施工を進める上での疑問点を挙げる時に作成します。設計図では確認ができないことや曖昧な表現となっているものの答えを協議し、正しい情報を得ていきます。

 

発注元との打ち合わせ

総合建設企業(通称ゼネコン)と図面の中身の打ち合わせを重ねます。CADで出した図面の承認や協議など細かい内容をすり合わせていきます。

 

図面(詳細図)作成

図面とは、それぞれの部材を詳細にわたって書いてある柱詳細図、梁詳細図、仕口詳細図、階段詳細図などのことを指します。決定した一般図を基に、実際に製作する製品を図面化します。出力を行い、製品がどのようになっているかを確認し、作ります。詳細図を見て工場は製造を行うため、製作に必要な寸法に抜けがなく、要所をおさえたものに仕上げる工夫が必要です。

 

出荷表の作成

出荷表とは、何日に、どの便で、何をどの車に積むのかが記された表です。出荷するものの種類や個数を確認し、記入漏れや不鮮明箇所がないことや適切に分類されていることに注意しなければいけません。

 

合番図作成

鉄骨部材は一つ一つに番号がついており、どの番号の部材がどこに取り付けられるのかが書かれたものを合番図といいます。合番図は、建設現場に搬入をした製品を現地で建方を行う際に必要な図面です。合番図は、胴縁や母屋、階段といった付帯工事がある場合には、それらに対応したものも必要となります。

 

あると役立つ資格

一級建築士

国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいいます。一級建築士と二級建築士では、設計可能な建物の範囲が異なります。高さが13mまたは軒高9mを超えるもの、鉄筋コンクリート等の場合は延べ面積300m2を超えるもの、木造の場合は延べ面積500m2を超える特殊建築物(多くの人が集まる公共施設や、衛生上・防火上特に規制すべき建築物)は、一級建築士しか建築できません。

一級建築士になるためには、一級建築士試験に合格し、免許を受けることが必要です。一級建築士の免許は、一級建築士名簿に登録することによって行われます。免許が与えられたときには、一級建築士免許証が交付されます。(国土交通省)

 

鉄骨製作管理技術者

鉄骨製作工場において、工程全般における製作管理と品質管理の業務を行う技術者のための資格です。対象建物の規模と技術レベルに応じて、1級と2級の資格があります。(一般社団法人鉄骨技術者教育センター)

 

溶接管理技術者(WES)

溶接管理技術者の資格は、溶接技術に関する技術知識と 施工及び管理に関する職務能力を持った技術者のための資格です。工場認定あるいは官公庁における工事発注の際の必須条件として、認証者保有又は、常駐を要求されています。(JWES)

 

 

まとめ

このように鉄骨製造業では、設計、加工組立て、溶接、検査等の多様な職種の人が協力して製品を作り上げています。影山鉄工所では、一人ひとりが自分の適性や希望にふさわしい職種・働き方を見つけ、誇りをもって働くことができます。建築やものづくりに興味はあるけれど、体力的に心配だと思っている女性でも、鉄骨製造業には、図面作成や溶接、検査など、細やかなスキルが求められ女性が活躍できる仕事がたくさんあり、すでに多くの女性が活躍しています。当社は従業員の方々にどんどん成長して頂きたい、挑戦して頂きたいと考えております。その為、研修等が充実しており学べる環境があります。成長したい!挑戦したい!そんな方は全面的にバックアップいたします。

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