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2024.04.30 溶接topics

鉄骨業界のCADソフトを解説!メリットや種類はどんなものがある?

目次

建築や機械設計の現場にいる方は、CAD(キャド)という言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?CADはさまざまな設計や製図を支援するソフトウェアで、現在世界中で幅広く利用されています。今回は初心者にも分かりやすく、CADの種類や、それぞれのCADの特徴について解説していきます。

 

CADって何?

CADは、「Computer Aided Design」の頭文字から取った略語です。

日本語で「コンピューター支援設計」といい、もともと設計現場で手書きしていた図面をデジタル化し、コンピューターを使用して製図できるようにしたシステムです。

現代のCAD の原型となるシステムは、1970年代から存在しています。その後パソコンやインターネットが普及していくことによって、業界で急速に CAD が使用されるようになりました。

 

CADを使用するメリット

製図作業が従来に比べて容易

従来の製図は、専用の道具を使って紙面に書き込んでいく地道な作業でした。まっすぐに線を引くだけでも定規を使用し、手書きで均一な太さの線で描かなければなりませんでした。

一方でCADは製図をコンピューター上で行います。使用方法を覚えれば誰でも簡単に同じ太さの線を描いたり、数字入力により正確な設計物の形状を描いたりできるため、はるかに作業が捗ります。

 

図面の修正がしやすい

紙に手書きで図面を描く際は、誤って該当箇所以外の線を消してしまわないかなどの気配りや描き直し作業が必要でした。しかし、CADでは該当箇所のみを修正することができ、効率良く作業を進めることができるようになりました。

 

図面の共有と管理が簡単

CADで製図したデータは、インターネットに接続していればクラウドサーバー上に保存できます。データは簡単にコピーすることができ、修正前のデータと後のデータ両方を残しておくことができます。また、これまでは手書きの紙図面の持ち運びに物理的な制限がありましたが、データ化された図面は遠方からでも図面を関係者と共有することが可能です。遠方の担当者までメール送付や郵送で送り確認してもらうという手間が省けます。そして、データ化された図面をコンピューター上で管理できるため、図面収納のためのスペースを確保する必要がなく、確認したい図面を早急に見つけることができます。

 

CADの種類

現在CADソフトは、産業別、用途別に多様な種類が提供されるようになりました。CADはソフトウェアの主な機能によって、①2DCADと3DCAD②専用CADと汎用CADに分けることができます。それぞれどんなものなのかを順番にご紹介します!

 

2DCADと3DCAD

2DCAD

2Dは「2次元」の意味であり、点と線による図形で設計物などを平面的に表現することを示します。直線や点、図形を描画し、修正や削除などを繰り返しながら寸法値を入力して作図していきます。入力が比較的簡単で、無料で提供されているソフトもあります。

 

3DCAD

3D は「3次元」の意味であり、家やビルのような立体形状を直方体や球体を用いて立体的に表現するCADです。全角度から形状や位置関係を立体的に確認できるため、2DCAD より鉄骨の仕上がりがイメージしやすいのが特徴です。

 

専用CADと汎用CAD

専用CAD

専用CADは、設計分野別に特定の分野の製図や設計を効率的に行えるように作られたCADです。「建築」では窓や階段の入力が容易だったり、「土木」では土量集計の機能が備え付けられていたりと、その分野では高い機能と操作性を発揮します。

 

汎用CAD

汎用CAD汎用CADは、建築、土木、機械、電気、電子など幅広い業界のニーズに対応する機能を備えたCADのことです。製図における基本機能(図面の作成、編集、印刷)を搭載しており、利用用途を問わず機能が充実しています。

 

鉄骨業界の代表的な CADソフト紹介

専用CADと汎用CADは、それぞれの目的が異なるため、使用するソフトも異なります。

今回は、代表的な鉄骨専用CADと汎用CAD製品をご紹介します。

 

鉄骨専用CAD

REAL4

REAL4は分かりやすいレイアウト画面で、作図中にリアルタイムで3D表示ができるため、分かりやすく簡単に使えます。鉄骨制作に関する一般図、詳細図、加工図、NCデータを自動生成する事が可能で、作図速度と柔軟性を両立させた鉄骨専用CADシステムです。

 

Tekla(テクラ)

Teklaは、構造設計に特化した構造詳細設計向けBIMソフトウェアです。

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを再現します。様々な構造計算ソフトや意匠設計CADとの互換性を持ち、建築設計事務所やコンサルタント、建設会社間でデータを共有できることから、詳細な調整が可能です。

 

汎用CAD

実寸法師

実寸法師は1989年に発売され、主に鉄工業界で活用されてきた歴史のあるCADソフトです。専用CADで対応の難しい「R物」や「寄棟」などをこなす多様性があり、各社の専用CAD図面の修正用としても広く採用されています。また、他社CADソフトとの連携も充実しており、鉄骨業界での高い普及率を誇っています。

 

AutoCAD(オートキャド)

AutoCADは自動化機能ですばやく作図できるのが特徴です。業界標準のDWGファイルを搭載し、幅広い用途にも対応しています。また、AutoCADと互換性のある高品質で低価格なソフトが数多く提供されています。代表的なソフトとしては、IJCAD(アイジェイ キャド)、Bricscad(ブリックス キャド)、ARES(アレス)があります。

 

 Jw_cad

Jw_cadは、1997年に提供が開始された、日本製のCADソフトです。無料で利用でき、コストがかからないことから、大勢の人が利用するようになりました。Jw_cadの開発には現役の建築士が携わっていたため、ドラフターと呼ばれる製図台で図面を手描きするのに近い動作が特徴になっており、建築の分野において多くのユーザーを集めています。

 

まとめ

このように、CADソフトの種類は多種多様であり、それぞれ特徴や用途が異なります。

どの分野のCAD技術を習得したいか、どのような技術が必要なのかを把握したうえで、この記事を参考に導入を検討してみてください。

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