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2020.08.03 溶接topics

AW検定とは?溶接の腕を証明する検定について

目次

建築鉄骨溶接の技量を証明するものに「AW検定」があります。

この記事では工場溶接資格・工事現場溶接・鋼管溶接・溶接ロボットオペレータそれぞれの試験内容や日程・費用・受験するメリットについて解説します。試験体の形状などによっても資格は細分化されているので詳細を参考にしてください。

 

AW検定とは

「AW検定」はAW検定協会による建築鉄骨溶接の技量検定です。建築特有の複雑なディテールや多様な溶接姿勢など、高度な技術を証明することができます。

 

AW検定の概要

試験内容・日程・費用・受けるメリットについて解説します。

 

AW検定の試験内容

AW検定には大きく分けると4種類の資格があります。
  • 工場溶接
  • 工事現場溶接(現場溶接)
  • 鋼管溶接
  • 溶接ロボットオペレータ
 

さらにエンドタブ(溶接線の両端に取りつける補助板)の種類・試験体の形状・溶接姿勢によって資格の種類が細分化されていて、試験内容はそれぞれ異なります。

 

工場溶接資格

工場溶接資格は2種類あり、試験種目は下記の通りです。

 

  • 鋼製エンドタブ:完全溶込み溶接(S種)・隅肉溶接(A種)
  • 代替エンドタブ:完全溶込み溶接(S種C類)
 

それぞれ板厚・溶接方法・溶接姿勢・積層方法・試験項目が決まっています。S種とS種C類の溶接方法はガスシールドアーク半自動溶接、A種は被覆アーク溶接でもかまいません。

 

試験項目は3種類とも外観検査・マクロ試験があり、S種には放射線透過試験と表・裏曲げ試験、A種には裏曲げ試験、S種C類には放射線透過試験が加わります。

 

現場溶接資格

現場溶接資格は4種類あり、試験種目は下記の通りです。

 

  • 鋼製エンドタブ(Ⅱ類):完全溶込み溶接(現場S種G類)
  • 鋼製エンドタブ(Ⅲ類):完全溶込み溶接(現場S種G類)
  • 代替エンドタブ(Ⅳ類):完全溶込み溶接(現場S種D類)
  • 代替エンドタブ(Ⅴ類):完全溶込み溶接(現場S種D類)
 

溶接方法は4種類とも、ガスシールドアーク半自動溶接かセルフシールド半自動溶接。試験項目はⅣ類・Ⅴ類が外観検査、放射線透過試験、マクロ試験、Ⅱ類・Ⅲ類には表・裏曲げ試験が加わります。

 

鋼管溶接資格

鋼管溶接資格の試験種目は「直管継手」(V形完全溶込み溶接)と「分岐継手」(完全溶込み一部隅肉溶接)。どちらも溶接方法はガスシールドアーク半自動溶接か被覆アーク溶接です。

 

試験項目は「分岐継手」が外観検査とマクロ試験。「直管継手」には放射線透過試験と表・裏曲げ試験が加わります。

 

溶接ロボットオペレータ資格

溶接ロボットオペレータ資格の場合、エンドタブは選択制で、試験体の形状と溶接姿勢によって5種類に細分化されています。

 

  • RT種(F):平板継手溶接・下向
  • RT種(H):平板継手溶接・横向
  • RT種(V):平板継手溶接・立向
  • RC種(F):角形鋼管継手溶接・下向
  • RP種(F):円形鋼管継手溶接・下向
 

試験項目は5種類とも外観検査、引張試験、マクロ試験、裏曲げ試験、衝撃試験があり、さらにRT種には放射線透過試験、RC種とRP種には超音波探傷検査が加わります。

 

AW検定の日程

本試験は毎年7月から9月の間に行われます。

 

  • 申し込み       :4月15日~5月15日
  • 立会試験日の通知   :6月中旬
  • 受験申請費の支払い  :立会試験日の通知後
  • 加工・試験費の支払い :立会試験日の10日前まで
  • 本試験        :7月1日~9月30日の指定日
  • 追試験        :9月10日~12月25日
  • 総合判定会      :立会試験後、約45日
  • 合格通知・資格証の発送:3月末日、4月1日から有効
 

申し込みや支払いなどに締め切りがあるので、遅れないよう注意が必要です。

 

AW検定の費用

受験費用は大まかに「受験申請費」「放射線(X線)透過試験費」「機械加工・試験費」の3種類があります。それぞれの単価例は次の通りです。

 

受験費用内容 内容 単価例
受験申請費 受験者ごと・受験姿勢ごと 11,000円・5,500円
放射線透過試験費 加工費

撮影基本料金

フィルム代

1,760円/枚

22,000円/式

1,430円/枚

機械加工・試験費 試験体の数ごと 27,280円/体
 

資格の種類によって受験費用は細分化されています。そのため状況に応じて受験費用は1人ずつ異なります。概算では1回の受験で約25~30万円かかる目安です。

高額なので、個人で受験するより、会社が受験費用を負担するケースが一般的です。

 

AW検定を受けるメリット

AW検定の資格を取得すると、工場溶接・現場溶接・鋼管溶接・溶接ロボットそれぞれの専門的な作業を行うことができるようになるため、昇格・昇進につながりやすくなります。会社からの信頼感も増し、安定して長く働くことが期待できます。

 

まとめ

AW検定は建築鉄骨溶接の技量を証明する資格です。試験は7月から9月の間に年1回行われ、受験費用は約25~30万円です。大まかに4種類の資格があります。

 

  • 工場溶接資格
  • 現場溶接資格
  • 鋼管溶接資格
  • 溶接ロボットオペレータ資格
 

試験内容はエンドタブの種類などにより細分化されているため、予め確認しておく必要があります。専門的な技量を身につけることによって昇格・昇進につながりやすくなるので、AW検定試験の合格を目指しましょう。

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