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2023.01.31 M&A

【コラム】会社を売却するときの実際の流れを解説

目次

従来のM&Aには「資金繰りに悩む企業が他企業に買収される」というネガティブな印象がありましたが、近年では人手不足・後継者不足を背景として「事業を引き続き承継させるため譲渡する」というポジティブな動きとして捉えられることも多くなってきました。

その中でも特に製造業は「製品を作り出す技術術はあるが営業面が乏しい」、「設備の拡充やDX化に対しての資金投資が不足している」などといった課題を解決するための解決策としてM&Aを考慮に入れるという傾向があり、技術力のある中小企業と人材不足を解消したい大手企業とでシナジーを見出して手を結ぶことが多いです。

そんな中で影山グループはDX(デジタルトランスフォーメーション)・BD(ブランディング)・HR(ヒューマンリソース)の3つを強み・得意分野としながら、3年間で製造業3社とのM&A成約を実現してきました。

本記事では、影山グループと行うM&Aがどのような流れで進んでいくのかを解説いたします。難しいイメージを持たれやすいM&Aですが、基本的な段取りの一例としてぜひ参考にしてみてください。

影山グループとのM&Aのプロセス

一般的なM&Aは、初めの問い合わせから契約締結まで各工程を大きな括りでまとめると「検討・準備フェーズ」、「マッチング・交渉フェーズ」、「最終契約フェーズ」という3つのプロセスに分けられます。

1つ目はM&Aに関する初期の相談やM&A仲介業者の選定を行う「検討・準備フェーズ」です。

M&Aに対する準備が済んだ段階で、2つ目は「マッチング・交渉フェーズ」へと移行します。買い手側と売り手側との条件交渉などを進め、3つ目の最終段階として契約締結やクロージングを行う「最終契約フェーズ」へと進んでいきます。

影山グループとのM&Aは、一般的なものと比べ「検討・準備フェーズ」がよりスムーズに進行されます。M&A仲介業者によるマッチングを利用せず、影山グループのM&A専用問い合わせページから直接ご連絡をいただくことでスムーズに契約に関する相談を開始することができるからです。

M&Aを円滑に進めることで、M&A市場や業界の動向に影響されにくいなどといったメリットが生まれます。M&A市場や各業界の動向は常に変化しているものであり、M&Aの契約を進めている最中で環境が大きく変化した場合には初期段階で見込んでいた目標が達成できない、あるいはM&A自体が中止となる可能性などが生じます。スケジュールを短縮することで外部の影響を受けにくくすることできます。

まずは問い合わせ、相談内容の確認

初めの段階である「検討・準備フェーズ」として、影山グループのM&A専用の問い合わせフォーム(https://kageyama-co.jp/ma-contact.html)からお問合わせを頂くことでやり取りが開始されます。

まずはお互いに経営状況などを把握しながら、M&Aを実施する意義(シナジーあるいはディスシナジーの有無)は何があるのかを検討します。そして次第に、例えばPMIの観点として、成約後に想定されるマネジメント体制、人的リソースをかけることができるか、買い手側のグループ事業戦略と売り手側の事業戦略が整合しているかどうかなどといった細かい要素を検討に含んでいきます。

買い手側と売り手側とでM&Aでの十分なシナジー効果が期待できると判断した場合、互いの会社の事業や組織、設備などの基本情報を確認していきます。

秘密保持契約の締結

契約を進めていく中で決算書など重要な書類を確認し合うことがあるため、買い手側と売り手側とで秘密保持契約を結びます。

M&Aに関する意思決定を行う中で、買い手側と売り手側、双方の会社同士で重要な経営情報を交換する必要がありますが、それが情報漏洩してしまうとお互いに大きなダメージを受けることになります。

従業員などの個人情報にアクセスする場合もあるため、個人情報が漏洩してしまえば会社の存続も危ぶまれる状況になりかねません。影山グループにとっても売り手側とのシナジーを議論する際には買い手自身の情報を開示する必要があるので、秘密保持契約書の締結は双方にとって重要なプロセスとなります。

会社訪問

検討が進めば「マッチング・交渉フェーズ」の段階へと移行し、お互いの会社、場合によっては工場を見学することになります。

製造業同士のM&Aではこのプロセスは特に重要で、決算書等の書類上のデータだけではなく実際に仕事を行っている現場を見学することでその会社の現状を正確に把握できる上、お互いの会社の社風や雰囲気を理解できる良い機会となります。会社・工場の見学を実施しながら、取引の条件骨子の協議・取りまとめを行い、またスケジュール、取引スキーム、金額的条件等を定めていきます。

トップ面談

双方の経営者が積極的な姿勢を示すと次はトップ面談になり、そこで売り手と買い手(影山グループ)の経営者同士が初めて顔を合わせて面談することになります。このトップ面談の中では譲渡価格などといった交渉をしないことが一般的であり、買い手側と売り手側それぞれの経営ビジョンや経営状況、譲渡後の運営方針などに対するお互いの理解を深める場となります。ただしトップ面談を行うタイミングはさまざまで、会社訪問の後だけではなく契約の初期段階に行う場合もあります。

影山グループは、このプロセスでお互いの会社の経営理念・組織文化を理解し合うことの重要性を熟知しており、数字面でのメリットだけでなく M&Aによるシナジー効果をはじめとした価値観・理念の合致についても細かく話し合いを進めます。

適正価格提案

双方がトップ面談にてそのM&Aに対する前向きな意向を示した場合、互いの希望条件を提示していき、さらに交渉を進めていきます。一般的には、買い手側から意向表明書によって条件を提示してもらい、それを踏まえ双方で条件を固めていきます。

意向表明書とは買い手側が売り手側に対し、事業の譲り受け・会社買収の意思を示すために提出する書面です。意向表明書の提出は必須のものではありませんが、買い手側の正式な意向を書面として売り手側へ伝えることで、スムーズなM&Aの成約につながります。

合意のもと成約

売り手側が意向表明書の内容に合意した場合、これまで売り手側の買い手側の間で合議を進めてきた売買形態、買収価格、売買時期、その他売買条件を明記させた「基本合意契約書」を締結します。

基本合意が締結されたら、買い手側はデューデリジェンス(法務/会計税務監査)を行うことでリスクの洗い出しやその解消方法を調査します。買い手側はそこで最終的にそのM&A取引を実行するか否か、もしくは条件面の再交渉を行うかどうか等を判断買収条件の最終調整を行います。

契約締結

これら一連の作業が無事終了し、取締役会や株主総会での承認が得られ、そして売り手側と買い手側共にM&Aの実行を決意することで「最終契約フェーズ」となります。

最終的な売買条件や内容を確定させて「最終譲渡契約書」を締結し、クロージング(最終契約に基づき経営権を移転する手続き)を行います。株式・代金などの受渡しを行うことでM&Aに関する契約が全て完結します。

まとめ

以上が影山グループとM&Aを行う際の基本的な流れになります。先述の通り「検討・準備フェーズ」が一般的なものよりもスムーズに進行されるのが大きな特徴となります。
影山グループが今までに成約させた3社とのM&Aはいずれもシナジー効果の創出に繋がり、今後とも事業の発展と経営の安定化を図るためにさまざまな製造業とのM&Aを検討していく次第です。

後継者難の課題を抱えているものづくり企業と一緒になり、既存の影山グループ企業とのシナジー(特にグループの強みでもあるIT、HR、ブランディング各分野)の生成が期待できる企業とぜひ繋がりたいと思っています。

私たちの周りには業務の効率化や優秀な人財の確保によって、成長できる可能性を秘めている企業が、まだまだ溢れています。会社の存続が危うくなった場合には、代替の効かない製品の製造や技術を持った企業に私たちは積極的な投資を行わせていただきます。

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