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皆さんは鉄骨工場がどのような仕事をしているか知っていますか?
鉄骨工場の仕事は細かく分けると様々なものがありますが、実際にどのような業務があるのかまでは知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は建築で使用される鉄骨を作る鉄骨工場の仕事の流れを紹介していきます!
営業
お客様への営業
鉄工所の営業職は、クライアントの窓口。顧客探しや新規物件の獲得を行います。営業方針の立案をするだけでなく、総合建設企業(通称ゼネコン)や設計事務所等へ定期的に訪問をし、新規物件の獲得をします。
積算業務サポート
依頼があった見積内容の聞き取りや積算業務のサポートを行います。また、鋼材手配に関する資料の作成や、見積書作成に要する項目別費用の積算も行います。
積算
見積書の作成
積算とは、各現場での建設に必要な鉄骨数量を計算する仕事をいいます。建築会社から受け取る図面をもとに、鉄骨がどれくらい必要かという重量と数量を計算します。また、鋼材や副資材の単価や納期などを確認して見積もりを行い、条件を加え提出をします。
受注物件の情報伝達
総合建設企業(通称ゼネコン)へ見積書を提出し、仕事をすることになった物件についての見積り条件を社内へ共有します。契約をしている範囲以外は当社以外の請負いとなるため、線引きをしっかりと行う責任のある業務です。
設計
設計図から施工図作成
発注元からの設計図をもとに施工図(一般図)をおこし、工場で製品を作るのに必要となる工作図や現寸を鉄骨専用のCADシステムを使って作成します。発注元とのやり取りは一般図を基に行っていき、作成⇒チェック⇒修正⇒提出⇒発注元チェックバック⇒修正⇒再提出の流れをとっていきます。
図面(詳細図)作成
図面とは、それぞれの部材を詳細にわたって書いてある柱詳細図、梁詳細図、仕口詳細図、階段詳細図などのことを指します。決定した一般図を基に、実際に製作する製品を図面化します。出力を行い、製品がどのようになっているかを確認し、加工を加えていきます。詳細図を見て工場は製造を行うため、製作に必要な寸法に抜けがなく、要所をおさえたものに仕上げる工夫が必要です。
発注書の作成と材料の発注・納期調整
承認された一般図を基に鉄骨の主要部材や副資材、ボルト、錆止め塗料などの発注書を作成します。この発注書を使って、主要となる鋼材や副資材、亜鉛めっきなどの発注や納期の調整などを行います。また、いつ何が納品されるか記載されている鉄骨生産にまつわる材料工程のリストを作成し、各工場と加工を依頼している外注の会社に提出をします。そして、自社工場や協力工場の材料の納品スケジュールや、加工スケジュールなどの管理も行っていきます。
質疑書作成
質疑書とは、鉄工所から発注元へ工事の準備を進める中で意匠図、構造図から工場製作、現場施工を進める上での疑問点を挙げる時に作成します。設計図では確認ができないことや曖昧な表現となっているものの答えを協議し、正しい情報を得ていきます。
合番図作成
鉄骨部材は一つ一つに番号がついており、どの番号の部材がどこに取り付けられるのかが書かれたものを合番図といいます。合番図は、建設現場に搬入をした製品を現地で建方を行う際に必要な図面です。合番図は、胴縁や母屋、階段といった付帯工事がある場合には、それらに対応したものも必要となります。詳しくはこちら↓
鉄骨製作における鉄工所の設計(現寸)の仕事とは? | 鉄人の創生物|影山鉄工所 (kageyama-co.jp)
工務事務
現場調整
現場工程の窓口として、現場に入る鳶(とび)の方々を含めた協力会社とのスケジュール調整や段取りを行います。それに伴い、建方計画の作成や配車の組付けを行います。
書類の作成と提出
現場で建方を行う際には、建築会社に提出しなければならない安全や有資格者に関わる書類が複数あります。そのため、それらの書類の作成と提出を行います。
出荷表の作成と配車手配
関連する物件や現場の工程を考慮しながら、「出荷表」を作成します。出荷表とは、何日に、どの便で、何をどの車にどこで積むのかが記された表です。出荷するものの種類や個数を確認し、記入漏れや不鮮明箇所がないことや適切に分類されていることに注意しなければいけません。また、スケジュールの遅延がないように外注の運送会社などを手配し、工場へと積み込み対応の連絡を行います。
関連会社との調整
総合建設企業(通称ゼネコン)と受注契約を結び、工事の調整を行います。また、現場に訪問し、現場監督と建方の打ち合わせを行います。
鉄骨製造
一次加工
鉄骨を加工するにあたって様々な工程がありますが、一番初めの工程は「一次加工」です。現代では精度の高いNCデータにて加工を行うのが主流で、オペレータが事務所でデータ入力したものを加工機へ入力し孔あけや切断、開先や摩擦面処理などの加工を施します。一次加工は製品精度や後工程に大きく影響するため、とても重要な作業です。
組立て
一次加工の次は、材料の組立てです。実際に完成したときの寸法や形状が図面の通りになるよう、正確に計算しながら材料を組み立て、最後には製作図の通りに仕上がっているかどうかを確認します。
溶接
組み立てられた鉄骨の接合部を溶接します。溶接にも手法はいくつかありますが、溶接方法は人が溶接する「手溶接」と無人溶接の「ロボット溶接」に分かれます。溶接加工には、被覆アーク溶接やガスシールドアーク溶接などさまざまなものがありますが、使用する鋼材の種類や材質、溶接性や作業環境などを考慮しながら、最適な溶接方法で溶接を行います。
錆止め塗装
鉄工所としての錆止め塗装は主に「錆の伝搬を起こさないため」に行います。錆止めは、「下塗りとして塗る塗料」のことを指し、一時的に錆を抑える役割を担います。鋼材の錆が進むと、穴が開いて密閉性が損なわれ、手で剥がせるほどボロボロになって強度が落ちるという特徴を持っています。工場で錆止め塗装を行うことで、錆の原因となる酸素や水分に触れにくくします。詳しくはこちら↓
なぜ鉄骨には塗装が必要なのか?塗装をする目的や方法について解説 | 鉄人の創生物|影山鉄工所 (kageyama-co.jp)
仕上げ塗装
仕上げは基本的に「中塗り~上塗り」が存在します。錆止めしたものの上から中塗りと上塗りを複数回行うことで、耐久性や見た目の美しさが高まります。上塗りでは紫外線や経年変化に耐えられるよう、ウレタンやフッ素等を用いています。
検査
社内検査「全数検査」対応
工場で加工した製品は必ず社内にて、溶接部分がしっかりくっついているか、寸法や外観などが図面通りになっているかという細かな検査を行います。また、検査をしたものはその記録を報告書として残します。「全数検査」とは、加工した製品の全てを検査することです。全ての製品が検査対象となることから、出荷基準に満たない不良品の流出を最小限に抑えることができます。
社外検査「抜き取り検査」の対応
社内検査が終わった後、社外の検査機関の方の検査があります。これは受け入れ側として、その製品の質が適正か否かを判断するために行います。鉄骨ファブリケーターはその検査機関の方との予定調整や打ち合わせ、当日の検査対応などの業務を行います。社外検査では、製品を全数並べた上で一部の箇所を抜き取り、精度の確認や報告内容の整合性を検査します。
出荷
出荷予定の製品が全て揃っているか検品を行い、現場へ向かう大型トラックに積み込みます。
現場
現場の建方と追加工事の対応をします。建方は、「現場で製品を組み立てること」をいいます。現場で建方をしていくにつれて、追加で対応が必要なものが出てくることがありますが、その際には追加で工事の対応を行います。
まとめ
株式会社影山鉄工所は、70年以上に渡り、建物の鉄骨部分を製造する建築鉄骨製造事業を行っています。近年は一般・共同住宅の他、オフィスビル、倉庫、店舗、工場等の大型物件の重量鉄骨を主に製造、施工しています。2021年には国土交通大臣Hグレード認定工場を取得しました。鉄骨の加工先を新たに探している方、Hグレード認定工場の技術力を必要としている方は影山鉄工所までお気軽にご相談ください。
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