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2024.12.27 溶接topics

地震大国日本における鉄骨免震構造について解説!詳しい構造やメリットも

目次

日本は世界有数の地震大国であり、建物の耐震性は非常に重要です。今日、地震対策として鉄骨の免震構造が注目を集めており、免震構造は戸建て住宅から超高層物件まで幅広く適用されるようになっています。本記事では、鉄骨の免震構造の基本原理、歴史、メリット、そして最新の技術について詳しく解説します。

鉄骨の免震構造とは

鉄骨の免震構造は、地震の際に建物の揺れを軽減するための技術です。

基礎位置あるいは建物の中間階に積層ゴム等の免震装置を設置し、地震による揺れが直接建物に伝わらないようにした構造となります。つまり、地震によって地盤が激しく揺れても、建物は地盤から地震力を受けず揺れが小さくなるため、倒壊するような建物の損傷を防ぎ、人々の安全を守り続けることができます。

また、免震構造は一般的な骨組構造から大スパン構造まで、ほとんどの建築に適用可能であり、耐震改修にも有効です。

免震構造の歴史

1978年に発生し甚大な被害をもたらした宮城県沖地震をきっかけに、1981年に建築基準法が改正されました。改正では建築物の設計におけるエネルギー吸収能力の確保といった耐震性が見直され、耐震設計の基本的枠組みが出来上がります。

1983年、「八千代台住宅」の建築に日本で初めて免震構造が採用されました。しかし、その後10年間程は免震構造の有効性が広く認識されず、建てられることはありませんでした。

それが一変したのが1995年の兵庫県南部地震です。一般の建物に甚大な被害が出る中で、免震構造の建物は相対的に被害が少なく、以降免震建物の件数は飛躍的に増加しました。

免震構造の技術

免震構造の技術は大きく2つあります。

アイソレータ

大きくは積層ゴム、すべり支承、転がり支承の3つに分類することができます。アイソレータは建物を支え、地震のときに建物をゆっくりと移動させます。地震による大きく速い振動を小さく遅い振動に変え、建物の揺れを効果的に抑えることができます。

ダンパー

アイソレータで逃がした揺れのエネルギーを吸収し、建物の揺れを減衰させる装置です。ダンパーの種類には、オイルの粘性や金属の延性、摩擦の抵抗を活かしたものがあります。

免震構造のメリット

鉄骨の免震構造には建物の性能以外にも多くのメリットがあります。

 

居住者の安全を守る

地震の揺れを大幅に軽減するため、建物の倒壊リスクが低減します。家具類の転倒や天井などの落下およびそれらに起因するケガや火災などを防ぐことで、居住者の安全が確保されます。地震時の揺れをあまり感じないため、居住者の不安も軽減することができます。

建築の自由度向上

免震装置は、主に地盤と建物の間の基礎部分にあるため、耐震性をアップさせるための太い梁や柱を設ける必要がありません。開放的な広い空間を確保できるという自由度の高さも、免震構造の魅力といえるでしょう。

建物の長寿命化と経済的メリット

免震構造を採用することで、建物の寿命をさらに延ばすことが可能です。建物の損傷リスクだけでなく、建物内部の設備の転倒を防止するため、地震被害による修繕費用を抑えることができます。これは、長期的な視点で見た場合、非常に大きな利点となります。

免震装置の設計と施工に必要な知識や技術

免震装置は地震のエネルギーを吸収するため、大きく変形します。そのため、設計段階では、装置自体の強度やメンテナンス方法、隙間の大きさ、配管の材質、動きを吸収する仕組みなど、さまざまな工夫が必要です。そのため、施工には専門的な知識と技術が必要です。当社の鉄骨にも、その装置等と接合するために、様々な精度管理や技術、工夫が盛り込まれます。

まとめ

このように、鉄骨の免震構造は、地震から建物と居住者を守るための重要な技術です。安全性、快適性、資産価値の維持など、多くのメリットがあります。今後、免震技術はさらに進化し、より多くの建物に採用されることが期待されています。

国土交通大臣が認定する鉄骨製作工場は、約3000工場にも及びます。その中で、当社株式会社影山鉄工所は202110月にHグレードに昇格しました。当社は免震構造の建物の鉄骨製作の経験もあることから、信頼性の高い技術を提供しています。「安心・安全・信頼」を基盤に鉄鋼技術向上に務め、鋼構造物のある豊かな人生と社会を築くことを目標としています。鉄骨製造の発注をご検討中の方は、是非影山鉄工所までご相談ください。

【参考文献】

免震構造設計指標 日本建築学会

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