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2024.12.10 M&A

中小企業倒産の裏にある後継者難、その影響と対策とは?

目次

後継者不足が招く倒産の背景

現在、日本の中小企業で「後継者がいない」という課題が大きくなってきています。この「後継者難」は、企業の存続そのものを脅かし、倒産に至るケースが年々増加しています。

少子高齢化が進む中、親族内で後継者を見つけることが難しくなり、外部への事業承継の選択肢も十分に活用されていない現状があります。本記事では、後継者不足による倒産の現状、主な原因、そして解決策を深掘りしていきます。

後継者難による倒産の増加

2024年上半期、日本国内で発生した中小企業の倒産件数のうち、後継者不足を理由とする「後継者難倒産」は254件でした。この件数は前年同期比で20.9%増加しており、後継者問題が企業存続における深刻な課題であることを示しています。過去10年間、後継者難倒産は増加傾向にあり、特に建設業や運輸業での倒産率が高くなっています。具体的には、建設業では60件(前年同期比20.0%増)、運輸業では19件(同216.6%増)と報告されています。

後継者不足による倒産の主な要因

経営者の死亡と体調不良

経営者の死亡や体調不良は、後継者不足による倒産の主要な要因の一つです。特に中小企業では、経営者一人が企業を支えている場合が多く、急な死亡や長期療養が企業運営に大きな影響を与えます。2021年1-7月のデータによると、『後継者難』倒産の要因として、代表者の死亡が52.4%、体調不良が29.3%を占めています。具体的な原因としては、心疾患や脳卒中、がんなどによる急死が挙げられます。

高齢の経営者がこれらの健康問題で急死すると、事業の継続が難しくなることがあります。また、長期療養や認知症による経営判断力の低下も事業継続に大きな影響を与える要因です。

後継者不足がもたらす経済的・社会的影響

雇用喪失とGDPへの影響

後継者不足による倒産が増加すると、まず多くの従業員が職を失うことになります。特に中小企業では、少人数で運営している場合が多いため、経営者の不在が直接的に雇用喪失を引き起こします。この失業は、地域の雇用環境を悪化させ、経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、中小企業の倒産はGDPにも大きな影響を与えると予測されています。

中小企業庁の試算によると、2025年までに中小企業の廃業が進むと、過去10年間の累計で約22兆円のGDPが失われる恐れがあります。

地域経済の低迷と事業承継問題の深刻化

また、後継者不足が引き起こす倒産は地域経済にも深刻な影響を及ぼします。特に地方では、中小企業が地域経済の中心的な役割を果たしているため、企業の閉鎖が地域全体に悪影響を与えます。

倒産した企業と取引のある地方銀行やその他の取引先も経済的に困難な状況に直面し、これが地域経済の低迷を招くスパイラルに繋がることがあります。事業承継問題は単なる経営者の問題に留まらず、広範な社会的影響をもたらすため、早急な対策が求められています。

倒産が及ぼす周辺への影響

代表者の家族への影響

経営者が個人保証をしている場合、倒産後にその借金が家族に影響を与えることがあります。これにより、家族の生活基盤が不安定になり、経済状況が厳しくなる可能性があります。また、経営者の精神的ストレスや社会的な立場の変化も家族に波及し、家庭内の雰囲気や人間関係に影響を及ぼすことがあります。

このような状況では、家族全体での支え合いや早期の専門的な相談が重要です。

従業員への影響

倒産は従業員にとっても深刻な影響を及ぼします。特に解雇されることで、雇用環境が不安定になり、再就職活動を余儀なくされます。若年層の従業員は転職の機会がある場合もありますが、高齢の従業員にとっては再就職のハードルが高くなることが多いです。特に地方の中小企業では、経験豊富で長年勤務してきた高齢従業員が多く、転職先を見つけることが難しくなる場合があります。

これにより、高齢者の生活基盤がさらに不安定になり、地域の労働市場にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。高齢従業員が職を失うことは、その人自身にとって大きな打撃となるだけでなく、地域社会全体にも深刻な影響を与えます。

取引先、金融機関などその他の影響

さらに、倒産は取引先や金融機関にも影響があります。企業の支払いが滞ると、取引先が未回収の債権を抱えることになり、最悪の場合、連鎖的な倒産を引き起こすこともあります。金融機関に対しては、負債の処理が進まず、地域経済に対して更なる負担をかけるケースもあります。

このように、倒産による影響は経営者だけでなく、広範囲にわたる関係者に波及します。

解決策と今後の展望

社内人材の育成

後継者がいない場合でも、社内の若手社員や中堅社員を後継者候補として育成することが重要です。経営者は長年の経験と知識を次世代に引き継ぐために、計画的な育成プログラムを実施する必要があります。例えば、特定の業務を徐々に任せることで、現場リーダーとしての資質を養うとともに、経営戦略や財務管理、人的資源管理といった経営の基本的なスキルを学ばせることが求められます。このような人材育成は、事業承継の円滑化を図り、組織の未来を支える土台を作るために非常に重要です。

外部専門家の活用

事業承継には法的・税務的な課題が多く存在するため、弁護士や税理士、会計士などの専門家に相談することが効果的です。これにより、後継者に関する契約の取り決めや相続税対策、会社の評価額の算出など、適切な法的および財務的アドバイスを受けることができます。さらに、事業承継アドバイザーによる戦略的なサポートも有用で、具体的な承継計画を立てる際に必要な知識を提供してもらえます。外部の専門家を活用することで、承継の準備が整い、円滑に移行を進めることができます。

事業承継マッチングサービスの利用

もし社内で後継者を育成することが難しい場合、事業承継マッチングサービスを活用する選択肢もあります。これらのサービスは、外部の経営者や企業とつなげてくれるため、事業を譲渡する相手を見つけやすくなります。特に、譲渡先企業が自社の業務に興味を持っていたり、地域経済に貢献できるような企業であれば、後継者不在による倒産を防ぐと同時に、事業の継続性も確保できます。適切なマッチングを行うことで、事業承継の難しさを乗り越えることができるのです。

中小製造業の事業承継に困ったらご相談ください

影山グループでは、企業の売却や事業譲渡をサポートするため、幅広い支援を提供しています。経営者の引退時には、事業の継続性を確保し、社員や関係者の幸福度を高める方法を模索します。また、従業員の処遇や事業譲渡後の安定的成長についても適切なアドバイスを行い、企業の持つICTや人事、ブランディングノウハウを最大限に活用します。

過去のM&A実績を活かし、地域貢献や次世代育成を推進しながら、企業価値の向上を図ります。事業承継や売却に関してお悩みの際は、ぜひ影山グループにご相談ください。

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