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「未経験でも働ける?」
「どんな資格を取得すれば活躍できるの?」
鉄骨業界への就職や転職を考えている方の中には、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。 鉄骨業界では、高所での作業や重量物の運搬、溶接など専門性の高い業務が多く、安全に作業を行うために資格が必要となる仕事があります。一方で、多くの資格は入社後に取得できるため、未経験からでも十分にチャレンジできる業界です。
この記事では、鉄骨業界未経験の方に向けて、鉄骨業界で資格が重要な理由や、建築現場・工場で役立つ資格について分かりやすくご紹介します。 これから鉄骨業界を目指す学生や転職希望者の方は、ぜひ参考にしてください。
鉄骨業界とは?どんな仕事をするの?
鉄骨業界とは、建物の骨組みとなる鉄骨を制作・施工する業界です。鉄骨は、オフィスビルや工場、物流倉庫、学校、体育館、商業施設など、私たちの身近にある多くの建物で使用されています。 鉄骨造の建物は、強度や耐震性に優れているだけでなく、大きな空間を確保しやすく、比較的短い工期で施工できることから、中規模から大規模の建築物を中心に幅広く採用されています。
鉄骨製作工場では、設計図をもとにH形鋼や鋼板などの鋼材を切断・加工し、溶接などによって柱や梁を製作します。完成した鉄骨は建築現場へ運ばれ、クレーンなどを使って組み立てられます。 近年では、溶接ロボットや自動加工機などの設備も導入されており、高品質かつ効率的な製作が可能になっています。しかし、最終的な品質や安全性を支えているのは、現場で働く技術者の知識や技術です。 そのため、鉄骨業界では仕事内容に応じた資格を取得しながら、段階的にスキルアップしていくことが一般的です。
鉄骨業界で資格が重要な理由
安全に作業を行えるようになる
鉄骨業界では、高所作業や重量物の運搬、溶接、機械加工など、危険を伴う作業が数多くあります。そのため、安全に作業を行うための知識や技能を身につけることが重要です。特別教育や技能講習を受講することで、安全ルールや正しい作業方法を学び、労働災害の防止につながります。
担当できる仕事の幅が広がる
資格を取得することで、担当できる業務の幅が広がります。例えば、玉掛けやクレーン、溶接などの資格を取得すると、それぞれの専門的な作業に携われるようになります。また、特定の技術や知識を証明できるため、収入の向上につながることがあります。資格手当が支給される場合も多く、自分のスキルを活かした高収入を目指すことができます。
会社やお客様から信頼される
資格は、これまで身に付けてきた知識や技術を客観的に証明するものです。資格を保有していることで、一定の基準を満たした技術者であることを会社やお客様に示すことができ、品質や安全性への信頼にもつながります。 特に鉄骨業界では、JIS溶接技能者評価試験やAW検定など、工事の品質を確保するために資格保有者が求められる場面も少なくありません。資格取得に向けて学び続けることは、自身の技術力向上だけでなく、会社全体の信頼性向上にも貢献します。
自分の将来・キャリアにつながる
経験を積みながら資格を取得することで、より専門性の高い業務や品質管理、現場管理などの仕事に携わるチャンスが広がります。また、資格は昇進や役割の拡大につながるだけでなく、自分自身の成長を実感できるきっかけにもなります。
鉄骨製作工場内で役立つ資格
鉄骨製作工場では、建物の柱や梁となる鉄骨を製作するために、鋼材の切断・加工・溶接・組立・検査など、さまざまな工程を行います。それぞれの工程では安全に作業を行うための資格や、高い品質を維持するための技能資格が必要です。 ここでは、鉄骨製作工場で取得することの多い資格を「工場作業に必要となる資格」と「技術力を証明する資格」に分けて紹介します。
工場作業に必要な資格
アーク溶接特別教育
アーク溶接特別教育は、アーク溶接や溶断作業を安全に行うために必要な特別教育です。 事業者は、労働者をアーク溶接作業に従事させる前に、この特別教育を実施することが労働安全衛生法で義務付けられています。 講習では、アーク溶接の基本知識や安全衛生、感電や火災などの危険性について学ぶほか、実技を通して基本的な溶接作業も習得します。
ガス溶接技能講習
ガス溶接技能講習は、ガス溶接やガス切断作業を行うために必要な国家資格です。鉄骨工場では、鋼材の切断や加工などの工程で広く活用されています。 アセチレンガスや酸素を使用したガス溶接・ガス切断作業に従事する場合は、労働安全衛生法に基づき、この技能講習を修了することが義務付けられています。 講習では、ガス溶接装置の取り扱いや点検方法、安全管理などを学ぶ学科と、実際に作業を行う技能講習が実施されます。受講資格に制限はなく、未経験者でも受講することが可能です。
自由研削といし取替試運転作業者特別教育
自由研削といし取替試運転作業者特別教育は、グラインダーの砥石(といし)の交換や試運転作業を安全に行うために必要な特別教育です。 グラインダーは鉄骨製作において、バリ取りや仕上げ作業などで日常的に使用される工具です。しかし、誤った使用方法が重大な労働災害につながる危険性があります。 講習では、グラインダーの安全な取り扱いや関係法令を学ぶ学科に加え、砥石の取り付け方法や試運転の方法を学ぶ実技を受講します。鉄骨工場では使用頻度が高いため、多くの作業者が取得する資格の一つです。
5トン未満クレーン運転特別教育
5トン未満クレーン運転特別教育は、つり上げ荷重5トン未満の天井クレーンなどを運転するために必要な特別教育です。労働安全衛生法第59条に基づき、事業者(会社)が実施することが義務付けられており、社内で実施するほか、外部の教育機関へ委託して行われることもあります。 鉄骨工場では、鋼材や完成した製品を工場内で運搬するためにクレーンを使用する場面が多くあります。特別教育は、基礎的な安全知識や基本操作を習得することを目的としており、比較的短時間で修了できるのが特徴です。 なお、クレーンを運転する資格とは別に、荷物をワイヤーロープなどで掛け外しする作業には「玉掛け技能講習」が必要です。そのため、鉄骨業界では両方の資格を取得するケースが一般的です。
玉掛け技能講習
玉掛け技能講習は、クレーンなどで重量物を吊り上げる際に、ワイヤーロープや吊り具を正しく掛け外しするために必要な資格です。工場内で鋼材や製品を運搬する際だけでなく、建築現場で鉄骨を組み立てる際にも必要となる資格です。そのため、鉄骨業界では工場・現場のどちらでも取得する機会が多い代表的な資格の一つです。 つり上げ荷重1トン以上のクレーンや移動式クレーンなどを使用した玉掛け作業に従事する場合は、この技能講習の修了が必要となります。 講習では、玉掛けに関する法令や安全管理、吊り具の種類などを学ぶ学科と、実際に玉掛け作業を行う実技講習が実施されます。
技術力を証明する資格
半自動溶接技能者評価試験(基本級/専門級)
半自動溶接技能者評価試験は、一般社団法人日本溶接協会(JWES)が実施するJIS溶接技能者評価試験の資格区分の一つで、半自動溶接の技術力を客観的に証明する資格です。鉄骨製作では、半自動溶接を使用する機会が多いため、多くの鉄骨製作会社で取得する代表的な資格となっています。
試験は、基本級と専門級の2段階に分かれており、基本級では基本的な溶接技能、専門級ではより高度な溶接技術やさまざまな姿勢での溶接技能が評価されます。一般的には基本級を取得した後、経験を積みながら専門級へステップアップします。 また、資格は溶接方法や溶接姿勢、母材の種類・板厚、継手形状などによって細かく区分されており、担当する業務に応じて必要な資格を取得します。 受験資格は、基本級が15歳以上で1か月以上の溶接経験、専門級は15歳以上で3か月以上の溶接経験に加え、対応する基本級の資格を取得していることが条件です。試験では、溶接に関する知識を問う学科試験と、実際に溶接を行う実技試験が実施されます。
| 区分 | 受験資格 | 内容 |
| 基本級 | 15歳以上・1か月以上の溶接経験 | 基本的な溶接技能を評価 |
| 専門級 | 基本級取得+3か月以上の溶接経験 | より高度な姿勢・技術を評価 |
AW検定
AW検定は、AW検定協会が実施する建築鉄骨溶接の技術を評価する資格です。AWは「Architectural Welding(建築溶接)」の略で、建築鉄骨溶接における高度な技術を証明する資格であり、工場・現場の両方で高く評価されています。
AW検定には、①工場溶接 ②現場溶接 ③鋼管溶接 ④溶接ロボットオペレータの4つの区分があり、さらに溶接姿勢や試験体などによって細かく分類されています。 試験は年1回実施され、受験するにはJIS溶接技能者評価試験の資格保有など一定の受験条件を満たす必要があります。そのため、一般的にはJIS溶接技能者評価試験で経験を積んだ後、さらなるステップアップとしてAW検定に挑戦します。なお、AW検定は個人で自由に持ち運べる資格ではありません。認定工場に所属していることを前提とした資格であるため、転職などの際は資格の取り扱いについて勤務先へ確認しましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
鉄骨工事の建築現場で役立つ資格
鉄骨工事の現場では、工場で製作した柱や梁をクレーンで吊り上げ、高所で組み立て・接合する作業を行います。重量物を扱うだけでなく、高所での作業も多いため、安全管理が非常に重要です。 そのため、現場で作業を行う際には、労働安全衛生法に基づく特別教育や技能講習の受講が義務付けられている資格があります。また、元請会社ごとに安全管理基準が定められており、現場への入場時に資格証の提示を求められるケースも少なくありません。 ここでは、鉄骨工事の建築現場で役立つ資格を、「現場作業に必要な資格」と「より高度な資格」に分けてご紹介します。
現場作業に必要な資格
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育は、高所作業を安全に行うために必要な特別教育です。 フルハーネスは、工場で製作した柱や梁を建築現場でクレーンを使って組み立てる「鉄骨建方」と呼ばれる作業など、高所作業で使用します。高さ2m以上の箇所で、作業床を設けることが困難な場所において、墜落制止用器具を使用して作業を行う場合は、原則としてフルハーネス型を使用することが求められています。特に、作業箇所の高さが6.75m以上の場合は、原則としてフルハーネス型墜落制止用器具の使用が義務付けられています。 そのため、鉄骨工事のように高所で作業する機会が多い現場では、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育の受講が重要になります。 講習では、墜落災害を防ぐための知識や関係法令、器具の正しい使用方法を学ぶ学科教育に加え、実際にフルハーネスを装着して使用する実技教育も行われます。
アーク溶接特別教育
アーク溶接特別教育は、アーク溶接作業を安全に行うための基礎知識や法令を学ぶ特別教育です。建築現場で溶接作業を行う場合も、JIS溶接技能者評価試験などの資格が求められることがあります。詳しい内容については、本記事「工場内で基本となる資格」で紹介しています。 資格と試験種目 - 一般社団法人 AW検定協会 5キャリアアップに役立つ資格 鉄骨業界には、製造だけでなく、品質管理や検査などさまざまな職種があります。それぞれの仕事で専門的な知識や技術が求められるため、資格を取得することでスキルや知識を客観的に証明できます。ここでは、キャリアアップや専門性の向上に役立つ資格をご紹介します。
品質管理
品質管理は、鉄骨が設計図や品質基準どおりに製作されているかを確認し、製品の品質を維持・向上させる仕事です。製作工程の管理や溶接品質の確認、製品検査などを行い、安全な建物づくりを支える重要な役割を担います。
建築鉄骨製作管理技術者
建築鉄骨製作管理技術者は、鉄骨製作における品質管理や工程管理を行うための専門資格です。製品が図面どおりに製作されているか、安全性や品質に問題がないかを管理し、高品質な鉄骨を製作するために重要な役割を担います。資格には1級と2級があり、建築鉄骨製作工場では品質管理や製作管理の担当者として高く評価される資格です。
溶接管理技術者
溶接管理技術者は、溶接品質の確保や施工管理を行うための専門資格です。溶接作業そのものを行うだけではなく、溶接方法の選定や品質管理、施工計画の作成など、溶接全体を管理する技術者として重要な役割を担います。 資格は、一般社団法人日本溶接協会(JWES)が認証しており、2級・1級・特別級の3つの区分があります。2級は基本的な溶接施工・管理、1級はより専門的な施工・管理、特別級は組織全体の溶接施工を統括できる高度な管理能力が求められます。 建築鉄骨製作工場の認定や公共工事などでは、溶接管理技術者の配置が求められる場合もあり、鉄骨業界では信頼性の高い資格の一つです。 受験には、学歴や専攻に応じた実務経験が必要です。また、試験は筆記試験と口述試験で構成されており、実務で培った知識や管理能力が評価されます。
検査
検査は、製作した鉄骨が図面や品質基準どおりに仕上がっているかを確認する仕事です。寸法や外観の確認だけでなく、超音波探傷試験(UT)などの非破壊検査を用いて、溶接部の内部に欠陥がないかを検査することもあります。建物の安全性や品質を支える重要な役割であり、専門的な知識や技術が求められるため、資格を取得することで検査技術者としての信頼性向上やキャリアアップにもつながります。
建築鉄骨製品検査技術者
建築鉄骨製品検査技術者は、完成した鉄骨製品が図面や品質基準どおりに製作されているかを確認するための資格です。製品の寸法や精度、溶接部の外観などを検査し、基準を満たしているかを判定する重要な役割を担います。 この資格は、国土交通大臣認定の鉄骨製作工場において、製品検査管理技術者や超音波検査管理技術者の資格要件の一つとして位置付けられています。そのため、品質管理部門や検査業務に携わる技術者にとって重要な資格です。 試験では、検査方法や品質管理に関する知識を問う学科試験と、実際の検査技術を評価する実技試験が実施されます。
非破壊試験技術者(超音波探傷試験:UT)
非破壊試験技術者(UT)は、超音波を利用して鉄骨や溶接部の内部にある傷や欠陥を検査するための資格です。UTは「Ultrasonic Testing(超音波探傷試験)」の略で、鉄骨業界では品質を確保するために欠かせない検査方法の一つです。超音波を対象物に送り込み、その反射波を解析することで、外からは見えない内部の割れや欠陥を発見できます。建築鉄骨や橋梁、配管など幅広い分野で活用されており、高品質な製品づくりを支える重要な検査技術です。なお、非破壊試験にはUT(超音波探傷試験)のほか、MT(磁粉探傷試験)、PT(浸透探傷試験)、RT(放射線透過試験)などさまざまな検査方法があります。それぞれ用途は異なりますが、建築鉄骨では溶接部の内部欠陥を確認できるUTが最も広く用いられている代表的な検査方法です。 資格は、一般社団法人日本非破壊検査協会(JSNDI)が認証しており、3レベルに分かれています。 レベル1:検査の実施・記録ができるレベル レベル2:検査計画の立案や結果の評価ができるレベル レベル3:検査方法の選定や技術指導を行う最高レベル 試験は学科試験と実技試験で構成され、両方に合格することで資格を取得できます。
まとめ
このように、鉄骨業界で役立つ資格には、アーク溶接特別教育や玉掛け技能講習など未経験から取得できる資格のほか、JIS溶接技能者評価試験やAW検定、建築鉄骨製作管理技術者などキャリアアップにつながる資格があります。 本記事で紹介した資格は代表的なものですが、担当する仕事や会社によって必要となる資格は異なります。未経験からでも一つずつ資格を取得しながら経験を積むことで、技術者として活躍の幅を広げることができます。
影山鉄工所の資格取得支援制度
影山鉄工所では、社員一人ひとりのスキルアップを支援するため、資格取得支援制度を設けています。業務に必要な資格は、入社後に会社負担で取得できるため、未経験からでも安心して技術を身に付けられる環境が整っています。 また、80種類以上の資格を資格手当の対象としており、資格を取得することで技術力の向上だけでなく、担当できる業務の幅が広がり、キャリアアップや収入アップにもつながります。
実際に、未経験で入社した若手社員も、先輩社員から作業のコツや試験対策のサポートを受けながら、一つひとつ資格取得に挑戦しています。現場で経験を積みながら段階的にスキルアップできるため、知識や経験がない方でも着実に成長することが可能です。 「手に職をつけたい」「ものづくりの技術を身に付けたい」という方は、ぜひ影山鉄工所で資格取得にチャレンジしてみませんか?
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